「十分面白い映画。酷評は理解できない。」打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか? uttiee56さんの映画レビュー(感想・評価)
十分面白い映画。酷評は理解できない。
予備知識は予告のみで原作の実写ドラマは未見。新房昭之監督の劇場アニメはかの大傑作「魔法少女まどか☆マギカ」以来。
あまりにも酷評されているのでどれほど酷いのか確かめたくなって見に行ったが(嘘。本当は前売り買っちゃったから見に行った)、傑作とは言えないまでも退屈することなく見ることができ、なんで酷評されているのかわからなかった。
絵は極端な構図によって作った印象的なカットを多用する、シャフト作品ではおなじみの手法によるものである。新海誠作品のような写実的な美しさを追求したものではないから手抜きに見える人もいるだろうが、実際には現代の劇場アニメとして十分な水準に達している。作劇上もシャフト演出ならではのシュールな画作りが活かされる場面が多々あり、この作品には必要な演出であったと言えるだろう。
主役声優については、確かに優秀な専業声優であればもっと良い演技ができただろうが、これはこれで味があって良いと言える水準であった。最近、専業声優なのに酷い演技の作品を見たばかりなので、専業声優が良いとは一概には言えない。
物語は日常に超常現象を織り交ぜた淡々と進むもので、ドラマティックな展開はないが、だからといって退屈だという評価は理解しがたい。オチがなく終わるので消化不良になる人もいるだろうが、視聴者の想像に委ねる結末だと思う。
この年代(設定では中学生ということだが、自分には小学生のように見えた。実際原作では小学生ということだ)特有の子供っぽい男の子と大人びた女の子が織りなすドラマであり、甘酸っぱい気持ちでいっぱいになった。
また、なずなの小悪魔ぶりは、健全な男子ならば一見の価値はあるはずである。他人の評価に惑わされず、自分の目で見て頂きたいと思う。