「かなり酷い・・・だが・・・」打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか? モアイさんの映画レビュー(感想・評価)
かなり酷い・・・だが・・・
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最初にはっきりと言っておくとこの作品はあまりにも酷い。
序盤の退屈さと言ったら寝るかどうか迷うほどだった。どのキャラにも魅力を感じられず、主人公や友人、ヒロインの両親には苛立ちすら覚えた。唐突に始まる無駄に幻想的な演出やあまりにも遅い乗り物には腹を抱えて笑いそうになる。また、シャフト特有の演出はそもそも作品の雰囲気に合ってないと感じる。ストーリーも原作を読めばわかるのかもしれないが、あまりに突拍子もない展開で理解が難しい。
だがしかし、それらを乗り越えてクライマックスに至った時、私は悟った。これはアニメ映画という枠に収まるようなモノではないのだということに。
これは芸術なのだ。他者には理解し得ない製作者の心の中の風景なのだ。現実とは程遠い背景の中で流れる音楽、きらきらとした宝物のような美しい映像、それらが堆積していたフラストレーションと融合し、昇華され、感動を得る。
私はこのような経験は生まれて初めてだった。他でも言われているような「君の名は。」を見た時のような感動とも違う。未知の感覚だった。
私はこの作品について評価を問われれば、間違いなく酷い作品だと答えるだろう。しかしながらこの感動や体験は、この映画でしか味わえないものだとも思う。
最後に、この作品を世に送り出してくれた制作陣の方々への感謝の気持ちを贈りたい。
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