劇場公開日 2017年1月14日

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「ドッキリ大成功?」スケア・キャンペーン Minaさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0ドッキリ大成功?

2023年9月11日
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のっけから金のかかって無さそうな感じで始まり、不安要素多数のまま鑑賞し始めたが、ゴースト役の娘が殺害されてからテンポもよくなり、かなり引き込まれていた。ドッキリ撮影中に本物の殺人鬼が現れ・・・という流れだが、予備知識は程々にして観た方が数倍楽しめるだろう。登場する役者に魅力が無いというのが欠点かも知れないが、良く練られた脚本となっており、しっかりと「オチ」がついていたのも良い。それをこれから犠牲になるであろう人物が「しっかりしたオチをつけやがって」と言い残して死んでいく様は笑いがこぼれてしまった。流石は「モーガン・ブラザーズ」で陽気な殺人兄弟を撮った監督である。殺し方にしろ、どこかユーモアを混ぜたような物であり、スプラッタに耐性のある映画ファンへの愛がこもった演出が多々見られる。他にもどこか「SAW/ソウ」や「ホステル」のオマージュの様な構成だったのも嬉しいところだ。
本作は人に迷惑をかける架空のTV番組「スケア・キャンペーン」の撮影スタッフが因果応報かの様に犠牲になるのだが、撮影クルーを襲った連中の正体や詳しい情報はあまり描かれず、ただ各地で残虐ショーを繰り広げている連中という情報のみである。ならば最後くらい爪痕を残すように全滅してくれるか、ギャフンという目にあって欲しかった。本作はただひたすらに快楽殺人を派手な殺害描写で描きたかったのだろう。その内容であれば鑑賞後にスカッとするものだが、ラストがモヤっとする形であり、観客に考えてくれと放り投げたスタイルだったのがやや残念であった。

Mina