「.」スケア・キャンペーン 瀬雨伊府 琴さんの映画レビュー(感想・評価)
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自宅にて鑑賞。オーストラリア製スラッシャー。設定は魅力的だったが、展開が戴けない。“マスクフリークス”と云う殺人サイコ集団の登場から一気につまらなくなった。二重三重のツイストも直ぐに気付き、意外性も無かった。そもそもオカルト系のドッキリ仕掛けてたのだから、オカルトで返さなければ期待外れで、恐らく本作への不満はそこに起因するのが多いのではないだろうか。設定が活かされていない陳腐なシナリオに加え、画的にもありふれており、拙い演者達も鼻についた。余程の好事家でもない限り、手を出すべきではない一作。35/100点。
・作中で“スケア・キャンペーン”と云う番組がシーズン5迄続いていると云う説明があったが、直ぐにマンネリズムに陥り、飽きられそうに思えた。敢えてPOVに拘る意味も見出せず、臨場感も然程感じられない。他にも細かい粗を探すと十指に余る程になろうが、論ずるのも馬鹿馬鹿しく思え、早々に思考放棄してしまった。
・敢えて褒めるならエンドロールのBGMが風変わりだったのと80分に満たない(苦痛が長引かない)短い尺。あと“マスクフリークス”達のマスクのデザインが個性的な点だが、これとてリーダー格のは『ドニー・ダーコ』シリーズ('01・'09)のを黒く塗り潰したのみたいだったし、他にも『ダークナイト('08)』に登場した“ジョーカー”の手先みたいなのや『サプライズ('11)』で見掛けた様なのが混じってたりと、既視感に満ち溢れていた。
・作り手が撮りたかったのが何なのか、何となく判るが、それにしてもこんな期待の裏切り方は観客を突き放し、呆れさせるだけではないだろうか。諄いようだが、スプラター系のテイストに振るにしても、サイコ系よりもオカルト系のが観たかった。
・鑑賞日:2018年1月8日(月・成人の日)