劇場公開日 2017年3月31日

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「見た目は変わっても瞳は同じ」ムーンライト Raspberryさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0見た目は変わっても瞳は同じ

2017年4月3日
iPhoneアプリから投稿

「月の光の下だと黒人の男の子は青く光って見える」
この映画の映像加工の技術を物語っているようなセリフだ。黒人の肌、海、木漏れ日が際立っている。この技術、カッコいいからみんなポスターとかで真似するんだろうな。

さて。
登場人物が少々典型化されているのが気になるが、作り手の訴えとメッセージがダイレクトに伝わり、アカデミー受賞の意味は大きいと思う。

「自分が何か、自分は何になるのかは自分で決めるんだ。絶対に他の誰かに決めさせるな」
自分で決めたいのに、生まれた環境によって決められてしまう社会システムにNO!

「泣きすぎて、自分が水滴になりそうだ」
砕けた心をかき集めるようにしながら、必死で生きる人々を無視しないで、彼らの真実を伝えたい!

「オカマはゲイの人を不愉快にさせる言葉」
差別はダメ!いじめはダメ!

「あの夜のことを今でもずっと覚えてる」
ブラックの乙女心にキュンとする。初恋の彼に寄り添う姿は、LGBTもみな同じ!

フアンの恋人の手料理と、コックの彼が作る料理を食べるときの、主人公の無防備で充足感にあふれた表情がいい。
誰かが作ってくれるごはんと、子どもの頃に親から水泳を教わるって、本当に大切なこと!

決して遠いお話ではないところがミソ。

Raspberry