「隣の宇宙人」散歩する侵略者 バラージさんの映画レビュー(感想・評価)
隣の宇宙人
特撮は終盤までほとんど必要最小限にしか使われてないんだが、それでいてちゃんとSFになっているのが良い。物語のテイストも、『ウルトラQ』というか、『ウルトラマン』の出てこない初期ウルトラシリーズというか、やっぱり僕はこういう日常の隣にあるようなSFを描いた作品が好きなんだな。SFであって必ずしもSFではない世界とでも言いますか。
黒沢清監督の演出も冴えまくっていて、舞台の映画化なのに舞台臭さが全くないのもいい。役者陣もみんな良くて、主演の長澤まさみはやっぱり上手いし、松田龍平の無機質な感じも宇宙人役にすごくハマってたし、他の2人の宇宙人役の高杉真宙と恒松祐里もこれまた予想外に良かったし(今じゃ2人とも出世したなあ)、長谷川博己ら他の役者もみんな良くて、一流の俳優がこれだけそろって特撮のほとんどないSF映画を演じると、SFというより純粋なドラマ映画としてこれだけ楽しめるという見本のような映画だった。
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