君のまなざしのレビュー・感想・評価
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熱演ですね 楽しめた
意外となかなか楽しめました。
あまり期待していなかったので
そう思って見たら作品的には意外とちゃんとしていましたね。
監督さんはベテランで実績がある人みたいだし。
助演の大川氏という人はプロデューサで脚本も兼任。
そんな人がこんな形でしかも役者デビューとは
前代未聞ではないでしょうか?
たいへん熱演ものでした。
演技だけでなくアクションも頑張ってました。
むしろ彼のほうが印象的であり主役ともいえます。
それだけでも見る価値があるかもしれません。
ストーリーも意外な展開ですので退屈しませんでした。
やや残念なのはテーマの要点を役者に語らせ過ぎたこと。
「この作品はこう見て、こう考えてください」と押しつけにも受け取れます。
テーマの解釈は見る観客にまかせるべきでしょう。
映画のテーマはセリフで語らなくても理解させるくらいでなくてはなりません。
テーマが素晴らしく、かつそれが出来てこそ初めて名作になるはずです。
現代人には少しわかりにくい幻想的非現実的超自然的な世界観なので
自然とセリフで解説したくなるのかもしれませんが。
全体的にははミステリーのドキドキ感あり、
敵?を倒すスッキリ感あり、
それだけでなく見た後のなんともいえない感動と幸せ感あり、
単なるエンターテイメントに終わらない
見た後いろいろ考えさせられる良い作品だと思います。
あと、これ書いてから現在2年ばかり経たわけですが
修正したいと思います。
今更ですが正直に書くと、主演の大川さんは演技は下手です。
あくまでデビュー作にしては意外と頑張っているというレベルです。
この大川さんは突然幸福の科学から破門されたとか。
いったい何があったのでしょうね?
その真実を作品にしたらけっこう面白い作品になると思いますね。
輪廻と神?
本当に輪廻があるならそれは救いだ。
主人公の人生は、昼ドラマさながら。主人公と姉の二人を置いて亡くなった両親。姉も主人公が小学生位の時に亡くなる。自分が親なら死んでも死にきれない。理不尽である。
主人公はひたすら自分の力だけで生きていく努力をする。他人と比べたらとても真っ当には生きられないかも知れない。
自分なら、DQN職人ぶち殺してぇと思いながヤクザな生き方をする。
親友アサヒの生い立ちもなかなかへヴィ。理解者は一人もいない。母親は自分を産む時に亡くなった。
父はアサヒを思い、男手一つで息子を守り無理解な汚い世間から隔離して、滝行などの行で、厳しく息子の心を鍛えようとした。それがアサヒには愛情として届かない。母親の愛情に、代わりえないのだろう。
特殊な世界に住み「自分は普通ではない」という劣等感と優越感の狭間で、人間は心を歪めない事など出来るだろうか?
そのアサヒの過去世とされる陰陽師も、正義感と人の好さだけでは乗り越えられない、1000年自分と他人を恨む事になる体験をする。
これは泣けた。戦争など究極の人生の理不尽さの一つだろう。
自分と親友に絶望し、世の汚さと不条理に絶望するには充分。「神などいない」という言葉にも説得力がある。
それでも、もし輪廻などというものがあるならそれは救いではある気がした。
「死んでも死なない」世界、全ての経験と苦労が無駄にならない世界。そんな物があるとしたら確かに、神は人々を見捨ててはいないのだろう。あの白塗りさえも。
白塗りの生い立ちを想像するに、両親は、子供が悲しむ姿を見たくなくて、なに不自由なく育てたのかも知れない。そんな気持ちも半分わかる。
白塗りは、本当に本人を思って叱られたり諭されたりする事は無かったかも知れない。 貴族社会の、無理解や薄情、自己保身の汚さ、そんな物だけは目につくだろう。
私も宗教の説教じみた言い方には、微妙な違和感を感じる。
しかし、白塗りに努力だの謙虚だの思いやりだの教えるられる人がいたとするなら、宗教家くらいしか考えられないとも思う。
その世界では、あまり努力も謙虚も思いやりも必要ない人に、世界観を転換させずにどう諭したら良いのか?私には到底わからない事である。
煮ても焼いても食えない輩を、ただ殺して回れば本人が鬼になる。それはそうかも知れない。
不思議な魅力がある
不思議なパワーのある映画でした。最初は青春映画か冒険映画かホラーかと思ったのですが、それも一部あるけど、スピリチュアルな映画でした。ストーリーは、途中と特に最後にどんでん返しがありました。そのため、ラストがわかりづらい。
現代の過去と今と、平安時代が交錯するので、理解が浅いと、単なる「夢オチ」(夢を見ていたという結論)の映画と思うかもしれない。でも、私は、この映画は絶対に「夢オチ」じゃないと思う。「未来が変わった」とか「タイムスリップ?パラレルワールド?」などと観た人の方が、本質をつかんでいると思う。過去と未来と現在が交錯し、最後だけが現実なのか、最後のシーンも夢だと言われたら夢かもしれない。
最初のシーンで「君のまなざしは全部知っていた」というような表現があったように記憶するけど、最初から最後が決まっていたというようにもとれる。でも、この映画は、過去も変えられる、または、過去・現在・未来は、みな一緒、と言っている、そう思う。
この映画の、テーマは、生と死、この世とあの世、善悪や愛憎いろいろ盛り込まれています。それと、悪役が最初からいてそれを倒すというパターンでなく、正しい人が闇に落ちていく、またそれを救うと、わりに複雑です。単なる娯楽作品でなく、メッセージがある作品です。
演技は、黒田アーサー・日向丈・手塚理美・長谷川奈央・黒沢年雄らベテランのわき役たちと若手の主人公たちの演技の技量の差が大きい。でも、主人公の健太は、後になるほど相当にうまくなっている。あかり役の水月ゆうこは、演技がかたいけど、好意的に言えばそれが巫女の役柄にあっているかも。あさひ(と道円の二役)の演技力は、不思議なアンバランスがあった。演技や演出の一部に改善点があるが、不思議な魅力がある作品でした。
細かいところだけど、道円が悪魔となって最後に戦う場面は一部分でもCGを使って道円の体を大きくして顔も変えた方がよいと思う。健太が平安時代に羊禅(黒沢年雄)の命で゛で旅に行くワンショットは、騎馬で数名の家来を連れているべき、都に関白に会うために行くのですから。アヤの血らだけの手が、道円の顔に血をつける場面では、道円の金ぴかの服にも血をつける方が自然です。ハリーポッターのように悪魔との戦いがあるが、この映画のエクソシスト(悪魔降?退治?)の方が、本物のように見えました。とにかく、不思議な魅力というか何かパワーのある映画です。
映画で初めて泣いた。
はっきり言います。こういう映画を待ってました。前世の因縁があって今があるという設定、ストーリー展開、アクションなど、素晴らしかったです。特に、朝飛と父親とのクライマックスシーンで涙腺崩壊しました。「また、父さんの息子で生まれたい」というセリフは最強です…。
また、道円が兼安を殺そうとした時の道円と光健との会話も、とても引き込まれました。憎しみによって世界を壊そうとする者と、それに「愛を持って許せ」と諭す者、まさに名シーンだと思います。
そして、最後の展開には驚きました。様々な解釈ができるのも、この映画の魅力だと思います。
間違いなく最高傑作です。嘘でなく、自信を持ってそう言えます。
殺人鬼に許しは必要か?
夏休みにペンションのバイトに来た若者たちに起こるミステリーを描く。
神社とか結界とか鬼とか陰陽師的な要素が強く、新興宗教が描く世界観としては特殊である。現代と過去の二つの世界を描きつつ、それらの世界が倒錯するのも、この映画の見どころ。
スピリチュアルな描写も他の映画とは明らかに違い、はっきりとした霊的描写がいくつもある。このあたりは宗教映画ならではか。
終盤の悪霊封印後、鬼だったはずのアサヒという人物が突然善人になり、感情移入が出来なくなる。ここにも宗教ならではの飛躍があり、理解に苦しんだ。殺そうとした父を一瞬で許してしまうアサヒの心情の描き方はあまりにも雑なのではないか。アサヒはどう考えてもサイコパスなので、鬼として封印されるか、改心までの心情変化のシーンを入れるべきだった。
神は殺人鬼をそんな簡単に許しはしないでしょう?アサヒがちょっと涙を流して神に許されるなら、悪人正機説と何が違うのか分からない。はっきり言って思想自体が恐怖。
概ね、ストーリーが纏まっているだけに、信者にしか分からない宗教観で躓くのは残念である。荒けずりではあるが、なんとか一つの世界観にはまとめている。
新たな描き方でした!
大川宏洋さんの脚本、ベテランの赤羽博さんが監督、主演3人が新人。とのことで、どんな作品になるんだろうとなんとも言えない緊張感があったのですが、ストーリー展開が凝っていて目が離せない面白さがありました。この世とあの世の狭間のシーンでは、ホラー的怖さも少々ありながらも、心の葛藤がすごく伝わってきて驚きました。白目になるシーンは、表情もめちゃくちゃ怖かったです。一部、何故こういう平面的な表現にしたのか、理解しずらいシーンもありますが、今後、立体的な表現に取り組んでいってもらえたら、説得力が増していくのではないのかなと思いました。
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