劇場公開日 2017年11月11日

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「見ごたえしかない」密偵 sannemusaさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5見ごたえしかない

2018年1月1日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

ソンガンホ、コンユ、イビョンホン、て私の好きな韓国俳優の4分の3が出てる・・・!さすがの演技力。もう見ごたえしかない。
ハシモトもいい演技してて素晴らしかった。

朝鮮半島が大日本帝国軍に占領されていた時代のゲリラたちの闘いを描いた話。
信じるべきもの、残すべきもののために闘う、そのブレない若者たちの思いが痛々しくもあり美しくもあり。
相反する立場でお互いを探りあい疑いあい欺きあうコンユとソンガンホの特殊な関係が本当に素晴らしい。

韓国映画の独特の冷たさもあり、残酷なシーンもあり、重たい暗いテーマなんだけど、スリル満点で、音楽の効果もあって(ラストシーン最高)、映像もゴージャスで、人間ドラマ&歴史ドラマエンターテイメントに仕上がっててさすがでした。

とはいえこの作品を、占領していた側の日本人の私としてはどう見るべきか、というところでは、あまりにドラマチックだったせいか罪悪感や問題意識というよりもかつての学生運動の映画を見る気持に近かったかな。
同士たちの激しく熱く純粋な思いに心を震わせつつ、帝国側につく韓国人の思いや打算もこれまた分かる。目指す目的は同じはずなのに敵対せざるをえない悲しさを感じておりました。答えはまだない。

sannemusa