劇場公開日 2017年11月11日

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「現在の朝鮮半島にま通じるメッセージをはらんだ作品」密偵 とえさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0現在の朝鮮半島にま通じるメッセージをはらんだ作品

2017年11月27日
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鑑賞方法:映画館

日本統治下時代の朝鮮。
朝鮮人でありながら親日派の警察として生きる者と
朝鮮独立のために反日運動をする義烈団の団員
互いに相反する間柄ながらも、次第に信頼関係が生まれていく

面白かったなぁ
最初から最後まで緊迫感が切れず、ドキドキしながら観た作品だった

主人公のイ・ジョンチュルは朝鮮の独立などハナから諦めていて、生きていくために親日派として生きているが、義烈団の団員たちと会うようになって、自分の中に流れる朝鮮民族の血を意識するようになる

初めはのらりくらりと生きていた男が、次第に忠誠心や義理に目覚めていくという姿は、これまでソン・ガンホが演じてきた役柄に通じるものがあって、ガンホだからこそ生きる役だと思った。

この当時は、同じ民族にも関わらず、親日派と反日派に別れて争い合うという状況だったけど
それは現在の朝鮮半島にも通じる部分であって
ジョンチュルが朝鮮人としての誇りに目覚めていく過程を見ていると
同じ民族同士が対立し合う状況は間違っている
だから戦争はよくないというメッセージが伝わってくる

結局、朝鮮半島の独立はしばらくな叶わないけれど、最後まで諦めなかった人たちの姿をみて
今でも朝鮮半島の統一を諦めずに夢見ている人たちのことが思い浮かび、
この半島の悲しい運命を感じた作品だった

とえ