「21世紀を生きる私の映画。」20センチュリー・ウーマン だいずさんの映画レビュー(感想・評価)
21世紀を生きる私の映画。
気持ちがまとまらず感想を書いては消しを繰り返して早2ヶ月…だって、これは本当に私の見たかったものが描かれている映画だったからさ、それに見合った感想にしたかったんですよ。
でもさすがにバカバカしいので、とりあえす終わらせようと思います。悔しいぜ、文才なくて。
この映画で描かれたマイクミルズの女性観が、世界のスタンダードであるならば、もっと女は自由だと思う。
なんでそうじゃないんだろうという絶望感を噛み締めながら観ました。
私の映画だと思いました。
5年に一回くらいしか買わないパンフレットを買ってしまうほどに、私の今にフィットする映画でした。
この映画をつまらない・興味が持てないという男性は、現代女性にとって選んではいけない男性だとおもいます。
結婚前に見せて反応を窺うことをお勧めします。
リトマス試験紙として活用されたし。
女のセックスとオーガズムについての話が出てきましたが、非常に実用的です。女のオーガズムはクリトリスが握っているというのは真実です。ですがセックスに求めるものは、オーガズムだけではないのも真実。その時のかっこ悪い男の姿が愛おしい。ジュリーのこの告白は、切なさの語釈として辞書に採用してくれと思いました。
ドロシアの哀しみが一番胸に沁みました。
愛さなくてはいけないと思った、という告白に、わかるよと、無言で呟きました。
大人になれば誰かを愛して、子を設けて家庭を営まなくてはならない。
それが夜になると月が空に輝くのと同じことにように自然と思わされていて、そうあるべきと自分を無理やり嵌め込んでいたってことを、ドロシアは言っていたのはないかと感じました。その苦しみは私が感じていたものでもあるので、ドロシアと自分が重なりました。
ドロシアは結婚したし夫を愛そうとしたし息子を設けたけれど、結婚と夫を愛そうとすることはやめた。それが合わないと思ったから。
私は根暗で深刻になりがちな性格なので、軽やかに語れませんが、この映画はとってもスタイリッシュで知的でおしゃれです。とっても、というか、めっちゃくちゃ、あるいはバリバリ。おしゃんてぃを愛でるだけでも価値はあります。
あとアメリカの1979年頃までの歴史的背景も知っているともっといいと思います。私は結構全く知らなくて、パンフレットにすごく助けてもらいました。