「昔のアルバム写真を見返した時のような。」20センチュリー・ウーマン puccinoさんの映画レビュー(感想・評価)
昔のアルバム写真を見返した時のような。
画面から放つ色合いがとても優しくて爽やか。
毎日が天候に恵まれたような心地よい日差しと日常感が
最後まで一貫していて、観ていて気持ち良かった。
1979年 当時7歳。男子。
自身の記憶から薄らいでいく十代の頃の夏休みの出来事が、
思い出されてなんとなく懐かしい気持ちになり、
また当時の母親との関係をふと思い出したりもして。
昔のアルバム写真を見返した時のような気持ちになりました。
クルマが駆け抜けていく映像が印象的。
まるでタイムマシンのよう。
ドロシア
部屋で読書をしながらタバコをふかす姿がとても味わい深い。
一人の人間として対等に真剣に息子と向き合って話し合おうとする。
息子の急激な成長と変化に戸惑いながらも一生懸命な母親の姿を
自身の母親と重ねて観ていました。
ジュリー
見た目も価値観も自分よりもはるかに大人に感じる幼なじみの女の子。
こんな子いたなぁ…。
あれだけ仲良しだったのに次第に疎遠になっていく感じも。
アビー
年に一度あるかないかの疎遠な親戚の集まりで
こんな感じのお姉さん居た。
親戚中で一番浮いていてどこか都会的な雰囲気。唯一話せた仲。
そしてジェイミー
個性的な女性に囲まれて女性からたくさんのことを教えられて、考え、学び、成長していく姿が私には羨ましく見えました。今思い返すとあんなに母親や異性と向き合って話すことなんてなかったなぁ。
特に母親からあれこれ言われるたび鬱陶しくて仕方なかった。
反抗したりして。だけど本気で叱ってくれていたんだ。
そりゃ親は疲れるわ…
ジュリーにタバコの吸い方を教わるシーン。
あの年頃ってやっぱりカッコから入っていくんだね。大人の世界に。
女子からかっこいいタバコの吸い方を学ぶなんて一生忘れないだろう。私にも教えて欲しい…
で、今の自分はウィリアムかなーと。
監督のとても個人的な思い入れが詰まった作品ですね。
とても心の優しい人なんでしょう。きっと。
今度母親に会うときはいろんな話をしてみよう。
なんて思いました。