わたしは、ダニエル・ブレイクのレビュー・感想・評価
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最後に頼れるのは隣の誰か。
国からの援助が必要なのに、複雑で理不尽な制度のせいで手当を受けられないダニエル・ブレイクと貧しい母子家庭の家族の話。
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ダニエルは医者から仕事はしちゃいけないと言われてるのに国の謎の検査で働けると判定される。その再審の申込はオンラインでしかできないし、問い合わせの電話も2時間ぐらい待たせられる。
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これを見てると今のコロナの給付金のことがやっぱり頭に浮かぶ。給付金どころか未だにマスクは届かないし、今すぐにでも10万円ほしい人たくさんいるよね。
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この映画みたいに国の制度がクソの場合でもそうじゃなくても、国にできることって限界あるからそういう時に、ダニエルと母子家庭の家族のように人同士が助け合うことが必要なんだろうな。
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ほんと今自粛警察とかやってる人そんな時間あるならその店のテイクアウトメニュー買え!
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よく聞くけど欧米の役所仕事はこんなモノなのか⁈
イギリスの社会制度へ怒りが静かなトーンで描かれている。真面目に生きてきても報われない人生の後半、観ていて辛い。人間としての尊厳は守られるべきだ。
最近読んだコラムでも書いていたが、イギリスの『ゆりかごから墓場まで』の神話は崩壊しているんですね。 最近の世相を考えると日本でも人ごとではないな。
見落としてはいけないこと
自国の社会保障制度のこともきちんと理解できていない私が、イギリスの制度の実態、ましてや運用に関しての属人的な部分(つまり、対応する職員の融通性の欠如)について、映画からの断片的な情報で批判的に語ることはできません。
確かなのは、たぶん次の3つ。
・たとえ良心的な専門家が真面目に考えて設計された制度であっても、運悪く支援対象に当てはまらない人が出てくる可能性があるということ。
・一旦制度上のルールで弾かれた人が救われるためには相応の法的措置や労力が必要なこと。
・人が社会の中で尊厳を保つという点において、ささやかであっても実直に仕事をし、定められた税金を払うことがとても大事であるということ。
どう見ても実直とは言えない〝濡れ手に粟〟のような手段で金銭的に成功した人は、一定の賞賛やプライドは持ち得ても、ダニエルのように堂々と、自分にも社会に対しても臆することなく名乗ることはできないのではないか。
帰属する社会の一員として果たすべき義務を全うした一市民の尊厳。
その市民が何らかの事情を抱えて苦しんでいる時に守れない社会。それは、行政の効率化やコストカットを優先した民営化を優先するうちに、いつの間にか制度以上に行政に携わる人間の思考そのものが硬直化してしまった社会になってしまったということなのだと思います。
日本では、生活保護を受けている人がパチンコに行った、というだけで批判を浴びます。
働きもしないで税金からの保護を受けるのはけしからん❗️と考える人にとっては、映画の中で、ダニエルが履歴書を配らなければならなかったイギリスの制度はむしろ正しく見えるのではないでしょうか。
〝医療専門家〟と呼ばれていた人は業務委託を受けていたと言ってたはずです。ということは民間会社の人なのだと思われます。ダニエルの生活よりも、支給額を減らすことが目的のヒアリングになるのは構造としては仕方がなかったともいえます。
コロナがもたらした大ピンチを社会構造の変革のためのチャンスに変えることに希望を見出したいと思います。
苦しくて温かい…
寒くてひもじいけど
プライドはある
孤独で情けないけど
意地はある
正当な申請が通らない
話が通じないのはどっちだ
悲しいとは思いたくない
けど全編見ていて苦しかった
気高いダニエル…永遠に
あたしもダニエルが好き
わたしは、に続く言葉
大工として長年働いてきたダニエル・ブレイクは、心臓疾患で医者から働くことを禁止される。国の援助を受けようとするが、何度トライしても手続き上の問題を指摘されてはねられてしまう。自分も日々の暮らしがままならなくなる中、ダニエルはシングルマザーのケイティに救いの手を差し伸べる。
お金も尽き、徐々に身動きがとれなくなるダニエルの姿をケン・ローチは淡々と描く。それまで欠かさず税金を納めてきた、それなのに国は困窮にあえぐ自分の権利を認めないばかりか、尊厳をも奪うのか。I, DANIEL BLAKE. 俺は一人の人間だ、国民保険番号じゃない。最後のシーンの申し立てに、心が震えた。これは英国だけの物語ではない。誰もが、ダニエル・ブレイクになり得る。
俺がダニエル・ブレイクだ。文句あるか?
病気で働けなくなったダニエルじいさんは、失業給付をもらうため役所へ行くが、絵に描いたようなたらい回しに合う。
役所の事務的な対応は、もはや暴力レベルの冷酷さだ。
ダニエルじいさんが受ける仕打ちを見ていて許せないのは、単に金がもらえないというだけでなく、人としての尊厳を踏みにじられているからだ。
それでも闘うことをやめず、「俺はダニエル・ブレイクだ」と爆発する終盤には、スタンディングオベーションを送りたくなるぐらい感動した。
お役所批判に留まらず、じゃあ結局そんな社会でどうやって生きていけばいいのか、というところまでこの映画は示してくれる。
世代や人種も違う隣人への愛着や、見ず知らずの他者へのちょっとした気遣い、ささやかな縁から生まれる関係性に、この世知辛い世界にかろうじて残るほんの僅かの希望を見た。
生きるっていうことはかくありたい
ダンが生きたこの世界は、自分と同じなんだろうか。身近な世界、つながった空の下ならばこんなに悲しいことはないよ。隣人を思いやることがこんなに素晴らしく美しく思えるなんて悲しい。当たり前なのにまぶしくて涙が止まらないなんて、情けない。
ダンは間違いなく俺の近くにいる。俺がダンだ。 悲しい世の中は治していこう
社会の価値とは
病気を患い職を失った大工のダニエル、2人の子供と共に越してきたシングルマザーのケイティ。
悪いことに手を染めるでもなく、真面目に誠実に生きている人に、優しい手を差し伸べられない社会。
そんな社会の現実を突きつけられる。
せめて隣人にぐらい手を差し伸べられる自分でありたい。
勘違い
タイトルだけ見て、
「007に憧れた痛い人の話」だと勝手に妄想してたら、
全然違うじゃん!
ごめんなさい、私ケンローチ御大を存じませんでした。。。
そーなんすね、パルムドール2回も取ってらっしゃるのですね、ホントに失礼しました!
観ながら、「万引き家族」を思わずにいられない程の観客の居心地の悪さ。是枝監督はケンローチ作品から着想を得ているらしいが、かなりオマージュしてるのが分かった。
イギリスの貧困層とか思いつきもしなかったが、どこの国でも有る問題な事を確認させられ、俄かに議題になりつつあるベーシックインカムも現実味を帯びてるように感じる。
日本ではいつから議論されるのか。議論されないかもしれない。それくらい日本国民は島国慣れしているからだ。情報弱者にだけはなっちゃダメだ。
ケンローチ監督を知らない自分に言われても、うるせーよ、だよねー(^^;;
その意味で、「万引き家族」の存在意義やその価値を再評価したい。
段々と息が苦しくなる
主人公たちの状況の変化を、息が苦しくなるような思いで見ていました。
自分は平和ボケしていると思っていたけれど、社会問題に関しても平和ボケしているのだなと気づかされた…。
私に出来る事なんて微々たる事だろうけど、それでも何か行動に移そうと思わされる作品でした。
ドキュメンタリーかっていうくらい、何気ない街の人も子ども達も演技がうまかったな…。
人間の尊厳、 これを守り抜くということ。 培ってきた意志を尊重する...
人間の尊厳、
これを守り抜くということ。
培ってきた意志を尊重することの何が悪いのか、
やはりケンローチ監督の映画は絶望の中に一筋の希望と意志がある。
『家族を想うとき』を観てから
二作目の鑑賞。
この映画を観た後に何を感じるか
予告編を観て、弱者が立ち上がるハッピーなものと思い観始めたため展開の重さに終始唖然。
英国の現在はここまで救いのないものなのか。
ヨーロッパと一括りにして素敵な国をイメージしている人には決してオススメできない。
国のシステムへの怒り・批判・疑念、それらが主人公たちを通して観る者へ訴えかけてくる。
この映画を観た後に何を感じるか
「英国のイメージが変わった」きっとそんな単純な言葉では表せないほどの複雑な気持ちを抱くだろう。
是非誰かと観て、そして感じたことを議論してほしい
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