ブラインド・マッサージのレビュー・感想・評価
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等身大の盲人たち
南京の盲人マッサージ院を舞台とした中国のヒューマンドラマ群像劇映画。監督は『ふたりの人魚』『パープル・バタフライ』『天安門、恋人たち』のロウ・イエ。畢飛宇の同名ベストセラー小説の映画化とのことで、原作は本屋で見かけたことがあるが未読。
盲人たちを無闇に聖化せず、等身大の人間として描いているのが新鮮で、彼ら彼女らの恋愛や結婚、悩み、性などの俗な部分を生々しく描いていく。セックスシーンもあるためPG12になってます。
映画の冒頭で普通は字幕で流れるようなタイトルや監督・出演者名をナレーションで流したり、全体的にも盲人向けの?ナレーションがちょくちょく入る。その一方で暗闇のような映像表現で盲人の感じる世界を表現しているのも印象的。主演クラスの複数の役者は普通の健常者の俳優だが見事な名演で、その周囲の他の盲人役は実際の盲人たちが演じているらしい。これまでのロウ・イエ監督の映画ように終盤は胸が締め付けられるような切ない展開になっていく。いい映画でした。
二つの世界なのか一つの世界なのか
ブタの角煮よりきれい・・・?
序盤、キャスト、スタッフの名前を音読するという珍しいところもいいし、音を非常に大切にした作品でした。若い盲人たちが大勢いる南京のマッサージ院にシャー院長を頼ってワンとコンが駆け落ち同然で雇ってもらい、恋人同士の毒気に当てられたかのようにそれぞれの想いが錯綜する群像劇といったところか。
メインとなるのが幼少期に事故で母親と目を失ったシャオマー。徐々に視力は回復すると周囲から嘘をつかれたショックで自殺未遂も起こしたシャオマー。男性では彼が一番若かったのだろうか、性欲に勝てない若気の至りも感じられる。風俗通いしていたイーグァンが彼を馴染みの店に案内するも、マンという女性に対しシャオマーの本気度は急上昇・・・
ワンはせっかく恋人と働き口を見つけたというのに、弟の借金問題で苦しむ。親からは全盲女性と結婚するのは許さない!と言われていたけど、弟の不始末にも対応できない親なんて信用できませんよね・・・と、この辺りが雑だった。
ドゥ・ホンは周りから“美人”だと言われ続けているが、彼女にとっては美人だとしても関係のない話。シャー院長が惚れていたようだけど、ドゥ・ホンは誰が好きなのかよくわからないのも難点。
恋は盲目。個人的には風俗店のマンのエピソードが一番良かった。そして、終盤の怒涛の展開にも皆の心が伝わってくる気がしたのです。それにしても停電騒ぎってのが、いまいち腑に落ちない。盲人だったら関係ないような気もするのだが・・・
タイトルなし
一歩踏み込める映像
ロウ・イエ監督のテーマ
圧巻
目が見えようが見えまいが、人は恋をする。
映画を観ていると「盲人同士の恋愛は心と言っているが、仮に目が見えるようになった場合、本当にそう言えるの?」と思うようになる。
ラストシーンでこの疑問が少し解消された。
純粋で、真っ直ぐで、時に迷ったり間違ったりするその姿に胸がえぐられる。
皆一生懸命生きている。
見えていないのに空気を察し的確なアドバイスをするドゥホンが心からかっこよかった。
そして全員の演技がとても胸を打つ。
光か闇か。私にはどちらが見えるんだろう。
【余談】
映画を観ていて、一瞬日本人俳優に見えたり見えなかったりした人たち。
・シャオマーは高橋一生と坂口健太郎を混ぜた感じ(たまに星野源)
・ワンは西島秀俊と堺雅人を混ぜた感じ
・ドゥホンはZARD坂井泉水
・コンが遠目一瞬岸井ゆきの
・マンの後半が一瞬長澤まさみ
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