おとなの事情のレビュー・感想・評価
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泥沼
18カ国でリメイクされた作品のオリジナル、らしいです。
WOWOWで放送されたオリジナルと日本版を続けて見ました。
食事会で集まった3組の夫婦と1人の独身男性が、
お互いのスマホに届くすべてのものを公開するというゲームを
繰り広げるというストーリー。
いわゆるワンシチュエーションものですね。
スマホの着信で、
ストーリーが展開していくという仕掛けなので、
メールや会話の内容がつまらないと、
映画もつまらないものになるんでしょうが、
最初から最後まで、退屈しなかった。
ということは、よく練られているっていうことだと思います。
コメディだけど、少し重い雰囲気の漂う
不思議な作品です。日本でリメイクするなら、
もっともっと日本向けアレンジが必要だったんじゃないかな。
秀逸な舞台劇を映画化したような…
イタリア映画って、もっと濃い味付けのものを想像していたら、いい意味であっさり目でした。分かりやすい展開と、キャラクターの描き分け、小気味いい進行で、短くまとめた面白さは、まるで他人の生活をのぞき見しているような好奇心を味わえます。
ほとんどアパートの一室から動かない設定で、画面的には飽きられるのを気にするまでもなく、事態はどんどん泥沼化していき、登場人物たちは誰もがハートを引き裂かれる思いをします。低予算でも、アイデア一本で映画はこんなに面白くなるという、見本のような秀逸な脚本ですね。出演している俳優たちも個性的で、それぞれの演技を楽しんでいるかのよう。
ここまで極端ではないにしても、誰にでも秘密はあるし、ケータイを見て修羅場を迎えた男女って、世に限りなくいるんじゃないですか。そんな人には絶対面白いと思います。
ただ、音楽がうるさいし、自己主張しすぎ。状況音で(テレビの音とか)もう少しうまくできなかったのかなぁ。はっきり言って邪魔でした。
2018.5.7
これはコメディではない
【月食の晩、3組の夫婦と1人の独身男が抱える真実を、シニカルビターテイストで描き出したワンシチュエーションホラーじゃくってコメディ。亜流が沢山出来たのも納得の作品である。】
ー 日本版の「おとなの事情 スマホをのぞいたら」は、劇場で大変愉しく鑑賞した。オリジナル作品をいつか観たいモノだと思いつつ・・。
で、漸く、配信にてオリジナルを鑑賞した。ー
◆感想
1.設定は、日本版はオリジナルとほぼ同じだな、と思いながら鑑賞。
2.日本版がコミカル要素が強めであるのに対し、オリジナル版はシニカルビターテイストが強いなあ、けれど、それが作品の深みを増しているなあと思いながら鑑賞。
・年頃の娘ソフィアを持つ、ロッコとエヴァが、娘との関係性を保つことに悩む姿。
ー 日本版では、この部分が完全に削除されている。
ソフィアから父ロッコに掛かって来た悩み事の電話の内容が、娘を持つ男としては、沁みてしまった・・。
ソフィアが”お母さんには内緒よ・・”と言った事に対し、ロッコが父として愛する娘に語った言葉。ー
・夫に黙って妻たちが行っていた、”豊胸手術”問題。
義母の”老人ホーム”入居問題も、7人の友人の前で、明らかになっていく・・。
ー 親友とは言え、明らかにはしたくない事実が、次々に明かされていく。
ある意味、ホラーである。
だが、それが、この作品に重みを与えている。ー
・ペッペの恋人が熱を出して来れなくなってしまう設定。
ここも、日本版だと、コミカルに収められているが、オリジナルでは、ペッペの友人達の、ホモセクシュアルに対する偏見が露わになり、ペッペが彼らに言い放った言葉。
”貴方たちに、彼を紹介できなくて良かった!”
・新婚のコジモ&ビアンカにも、コジモの浮気が明らかになり・・。
ー ここは、日本版と似ているが、シニカルビター度合いが違う・・。ー
・妻を庇うために夫が被った罪。
ー 巧いなあ・・。こういう細かい設定の積み重ねが今作は絶妙に良い。夫婦の絆・・。ー
<私は、日本版を十分に劇場で楽しんだが、オリジナルの今作を観ると、シニカルビターテイストが作品に与えた深みは、オリジナルが長じているなあ・・、と思った作品。
ワンシチュエーションという設定も関係していると思うが、亜流が多数製作された事が良く分かる完成度の高い作品であった。>
何でもさらけ出せば良いというものじゃあ、ない!
WOWOWの放送で観賞。
日本版リメイクは観ていない。
3組の夫婦と1人の男が、食卓を囲んで延々と仲間内の会話をしている。
はてさて、どうなることかと思っていると、一人が、みんなスマホをテーブルに置いて着信を公開しようと言い出す。ここから映画は一気に面白くなる。
中年の男女7人、それぞれに言えない事情を抱えていて当たり前なのだ。
友人が浮気をしていることを知ったら、それを奥方に知らせるべきかどうか、そんな話題から発展するところも面白い。
男4人はどうやら学生時代からの友人のようだ。
サッカー仲間からの誘いのメールが1人を除いて一斉に届く。この辺りは序盤のご愛嬌だ。
一人の男が、決まった時間に女から画像付きのメールが来るからと言って、唯一独身の男にスマホの交換を頼み込む。同じ機種を使っているからだ。この作戦がこのゲームに波乱を呼ぶことになる。
独身男は着信音をカエルの鳴き声にしているという演出が細かい。それを一旦みんなに知られたら、交換したスマホを元に戻せなくなる。
浮き上がるのは浮気のような単純なものだけではない。
夫婦間では隠しているのに友人たちは知っていたこと、長年の親友にも打ち明けられなかった秘密、真相が分からないままののことも。
悪ふざけのゲームはお互いに疑心暗鬼を招き始め、徐々に空気は重くなっていく。
16歳の娘が母親に相談できない彼氏とのことを父親に相談してきたのを全員で聞いたりもするのだ。
親友家族が遂にバラバラに関係を崩壊させてエンディングを迎えるが、この終幕が本当に天晴れだ。
全編を見続けてこそ、この結末にたどり着ける。
お見事。
友人同士の会食の席でメールと電話を公開するゲームをやる。 全員がな...
1人で鑑賞すべき作品🙃
コワイヨー
会話劇
ホラーです
【The Dark Side of the Moon】
このオリジナル作品を観て、なるほど、こちらの方を先に観ていた人は、レビューに書いている人も少なくなかったが、日本のリメイク版は少し物足りなく感じるだろうなと思った。
こちらの方は、より映画的で、コメディ感は少なく、日本版より示唆に富んでる気がする。
日本の映画案内ではコメディとしてるものがほとんどだが、僕は、シリアスだと思った。
「なぜ、人は月蝕に惹かれるのかしら?」という問いに、
「The Dark Side of the Moon」というピンク・フロイドの傑作と名高いアルバムタイトルを引用した答え。
因みに、このピンク・フロイドのアルバムの日本語タイトルは「狂気」だ。
そして、The Dark Side of the Moonは、潮汐力で地球に対して、同じ側だけを見せる月の反対側のことだ。
だが、月蝕で、太陽が照らす地球の影で暗くなる月の部分は、月の反対側ではない。月の同じ表側だ。
スマホで露わになるのは、それぞれの裏側の部分なのだろうか。
いや、太陽に照らされているか否かの違いだけと同様で、どちらも表の本当の自分ではないのか。
では、The Dark Side of the Moonとは一体何なのか。
僕は、このスマホを見せ合うゲームで相手の秘密を知ることによって、頭をもたげる、自分でさえ気が付かなかったそれぞれの隠れた感情なのではないのかと思うのだ。
この「おとなの事情」のオリジナル・タイトルは、「Perfetti Scinisciuti」で、直訳すれば、全く知らない人、ということだろうか。
相手の知らない部分、自分自身でさえ気が付かない自分。
そして、日本版のように、「また、集まろうよ」みたいな掛け声はないが、それぞれの場所に戻ろうとする7人。
それこそは、「おとなの事情」によるものかもしれない。
とても面白い作品だった。
※ 因みに、イタリア人が人を招く時の食卓はあんな感じです。ワインを持ち寄って、ホストが料理を適宜出して、ワイワイガヤガヤ。
とっても時間がかかります。
おとなのエンディング
思わずニヤッとしてしまう緊迫感
コメディ…だと?!
皆の秘密を暴くようなゲームが提案されて、皆は後ろめたいことがありつつも潔白を表明するためにゲームに乗ることに。
どんどんと都合の悪いメールやメッセージが届き、友情の会食は混沌を極めていく…
イタリア人的には(?)コレがコメディなのか?
それとも人の不幸を楽しむ系の映画はコメディに分類されるのか?
そんなカテゴリにびっくりするほどの泥沼劇。
ケイタイ交換の工作をしたあたりまでは多少はニヤニヤできたんだけども…
相応の報いを用意してくれるとカタルシスを得られてスッキリできたんだけど…
アナタは誰が一番最悪だと思う?
大体の人はゲーム提案者をワーストに選ぶんじゃないかな?
映画だから出来過ぎでいいのだ。
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