ハクソー・リッジのレビュー・感想・評価
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微妙だなあ
沖縄戦についてあまり詳しくはないが、日本人としてはこの内容は手放しで称賛できない気がする。
なんで今頃こんな映画作ったのか知らんが、メル・ギブソンは敬虔なクリスチャンとしていいネタをみつけた。とでも思ったか、昔から知ってたとは思えないが
そんなに有名な話でもないし。確かオーストラリアは連合国側だったよな…この映画みてるとまるで無尽蔵に出てくる日本兵が化け物じみてみえてくるが。
負けたんだからね、忘れちゃいかんよ。沖縄は一時期占領されたし、日本中のいろんな都市は爆撃されたし、極めつけは原爆。
敗戦国としてのツケは今も支払わされ続ける。中国や韓国との土地問題、北方領土問題、沖縄の基地問題
数えてたらキリがない。
そりゃこの映画の主人公は立派かもしれないが、結果論だよな。もし、なんも活躍しなかったら、単なる規律を乱すバカだよ。
あと、なんというのかなあ。最近こぞって残忍描写をこれでもか、とみせつける戦争映画が多いがそんなに意味があるのかね?
いまだに戦争は世界中であるし、我が国の総理大臣どのは国軍を持ちたくご執心でらっしゃる。
最初の訓練場面でなかなか個性的な面々がいたが(特に素っ裸ヒゲとか)中盤から単なるストーリーの駒にしかならなかった。こりゃつまらん。
戦争映画ってなんというかそういうんじゃなくないか?一人一人がどう生きたか、その生きざまを描くもんじゃないのかね、誰か他の方も言ってたと思うが
メル・ギブソンの思想?どうでもいいよ。預かり知らぬ。
信念を曲げたら僕は生きていけない。
映画「ハクソー・リッジ」(メル・ギブソン監督)から。
今までにも数多くの戦争映画を鑑賞してきたが、
本当に、戦争を体験してきた人たちの話と、
映画の戦争シーンのギャップを埋められなかった。
だからこそ、今回の沖縄戦のリアルさは、経験者の話と近く、
本当にこんな恐怖だったんだろうなぁ、と胸が締めつけられた。
さて作品中、「壁」(リッジ)という言葉が何箇所かで使われている。
冒頭、主人公が幼少時代、壁に駆け登って親に叱られるシーン。
「危ないぞ、崖(リッジ)から離れろ」
私の知識で、壁は「wall」、崖は「ciff」だと思っていたので、
字幕を見て慌ててメモをした。(笑)
次に「壁」が出てくるのは、志願兵でありながら、銃を持たず
軍法会議にかけられることになった時、
彼女が「何をされたの?」と心配げに訊ねたあとのシーン、
主人公の彼は「何でもない、壁と戦って負けただけ」と答えている。
そしてもちろん、戦地・沖縄の断崖絶壁「ハクソー・リッジ」。
主人公にとって「壁」は、乗り越えるもの、と思っていたかも知れない。
「壁」があるから、諦めるのではなく、途方も無い「壁」があっても、
信念を曲げず登り続ければ、いつかは超えられる、そう感じていた。
だからこそ、彼は「信念を曲げたら僕は生きていけない」と口にする。
もちろん戦争の映画であるが、監督が私たちに伝えたかったのは、
「主よ、もう1人助けさせて。もう1人・・」と神にお願いしながら
「お願いです、もう1人助けさせて」とうわ言のように呟かせた
彼の「信念」が、光輝いていたと言える。
最後に上官が言う。「お前は奇跡を成し遂げた。その奇跡が必要なんだ。
お前なしでは戦えない」、なるほど、そういうことか。(汗)
恐怖を凌駕する感動がある戦争映画
「マッドマックス」「リーサル・ウェポン」シリーズが大好きな”俳優”メル・ギブソン ファンの自分ですが、俳優以上にその腕を認められている”監督”作を観るのは恥ずかしながら初めてでした。10年振りに才能を発揮しアカデミー監督賞にもノミネート、そして太平洋戦争の沖縄戦が舞台の実話に基づく映画という事で、72年目の終戦記念日を迎えたこの8月に日本人としても意義ある鑑賞だと思いました。
沖縄・前田高地での激戦が、壮絶な接近戦のシーンが、目を覆いたくなるほどの生々しさで描かれています。想像を絶する戦闘シーンが、本当に怖くて恐ろしい戦争の実態が、スクリーン一杯に音と映像で繰り広げられます。物凄かったです。
だからこそ、宗教上の信念を貫きながら武器を持たずに、衛生兵として参戦した主人公デズモンドの行動は、勇敢という言葉では賞賛しきれません。人を殺すための戦場で人を救う事に専念し、72人もの負傷兵をたった1人で救った主人公の意思の強さが、いつしか観ている者に戦争に対する恐怖を凌駕した大きな感動を与えるのです。米兵だけでなく日本兵をも助けたという事実も描かれていて、そこもまた感動でした。
観客と同じように隊長や仲間達も、最初は武器を持たないと主張するデズモンドを馬鹿にしていたのに、いつしか彼を理解し、彼に助けられもして、尊重していくくだりにも胸を打たれます。戦争そして宗教について日本と米国の違いを改めて考えさせられました。
とは言え、ただ感動させるだけでなく、クスっと笑ってしまうような軍隊描写や瑞々しい恋愛描写もあり、重た〜いだけじゃない、とても良質な映画でした。メルギブやっぱ凄い!主演のアンドリュー・ガーフィールドさんは「沈黙」に引き続き『神よ!!!』と祈りながら受難する役が本当に似合いますね。
珍しくパンフレットを買ってしまいました。絶対に映画館で観るべき一本だと思います。お勧めです。
狂気手前の英雄の話だけど「普通の生活」について考えさせられる
宗教と戦争という、私が縁の遠いものと思ってる要素が大部分を占めてるのに、自分が身を置かれてる社会に思いを馳せるような構造になってる。
戦争シーンに凄く臨場感があって、スクリーン越しにも凄惨さが伝わった。落ちてくる土砂やすぐ足元に重なる臓物のはみ出た死体、怒号と爆音が迫ってくるようだった。アクション映画大好きだしグロシーンもわりと平気だけど、それは楽しく見れるように演出されてるからなんだよなと思った。暴力をエンタメ化できるのなら、逆に楽しい演出を一切せず苦しいものとして提示することももちろん可能で、というかそれが本来の暴力なんだよな。見てるだけで辛くて、早く終われと思うほどだった。凄い撮影技術。
戦場の惨さが秀逸に表現されてるからこそ、主人公の行動が並でないのが浮き彫りになる。頭がおかしくなりそうな緊張感の中、身の危険にさらされて人を助け続けるって、偉業ではあるけどとても理解できない。
前半部分では「みんなはやってるけど僕には出来ません」って、理屈ではわかるんだけど何だかモヤっとするなぁと思ったのね。色々な事情や価値観があるから、皆が皆横並びなんて現実的じゃないし、それぞれが出来る事、やりたい事をやればいい。でも、皆がやりたくないことは誰がやるのか。戦争は個人の事情や言い分が通らない状況の最たるものだ。指示系統を迅速で明確なものにするために上下間系は厳密だし、「勝手」は許されない。「イレギュラー」な人を守る為の制度はあるけど、実質蔑ろにされてる。そういう状況で戦闘を拒否するって、そりゃまぁ迫害を試みる人間も出るよなぁと思う。だからこそ戦争は悪なんだけど。
でも後半を見ると、ここまで危険な状況に身を晒して初めて「みんなと同じにできない人」がようやく認められるって、怖いなと思えてくる。デズモンドは英雄だし、素晴らしい勇気と気力の持ち主なんだけど、平和で多様な選択肢がある環境なら、もっと無理のない形でも自分に合った方法で活躍できるだろうなと思う。(デズモンドがそれを望んでいたかは別として。)デズモンドの父親が、「憲法を守る為に軍人たちは戦った」って言ってたけど、人間の権利って古くは勝ち取り守ることで確保されてきたものなんだなと思うし、非常時には蔑ろにされがちなんだよなぁと思った。
デズモンドは、厚い信仰心に基づいて常人離れした信念を貫いてて、だからこそ英雄だ。決して共感はできないというか「私にはそこまで出来ない…」って感じなんだけど、せめて他者と違うけど何か為になることを成し遂げようとしてる人を見たときはなるべく邪魔しないようにしようと思った。
アンドリューガーフィールドの演技、ちょっと狂気じみた笑顔とか、役柄を表現できていて良かった。
迫力と冗長
戦地に赴くまでのイチャイチャシーンが長すぎてイライラした。
一転、戦地についてからの迫力と緊迫感は物凄い。
宗教的なメタファーが多めなので、
理解できないとよくわからないシーンがちらほら。
ドラマの部分が・・・
戦争シーンの凄惨さの表現はすごい。プライベートライアン以上で、これまで私が見た戦争映画では一番と思う。映画館で鑑賞してよかった。ただ、米軍、日本軍の作戦は変だ。あんな崖登って攻めるか?
また、主人公にはもう少し深堀できなかったのだろうか。映画の枠に収める仕方ないのかもしれないが、最初の彼女との出会いは中身がない。最初から結婚したことにして全てカットしても良いのでは。観客の想像に任せれば良いのでは。主人公の心情も納得行かない部分が多い。信仰に対する葛藤もあったはずだ。あれだけ、悲惨な戦場で全く信仰が揺るがないのは逆に嘘くさい。2時間に収めるためには仕方ないかもしれないが、先に書いた通り前半のエピソードはカットできる部分も多い。もっと主人公の内面に時間をかけてはと思う。
後ろの座席の女性が感動したと言っていたが、一体どこに感動したのか不思議だった。そう言えば、弟はどうなったのかな?
草食系向けプロパガンダ映画
造りは無骨で物語としても破綻はなく戦場シーンの描写も白眉である。
しかしながら人を殺したくない人々でも今の軍は歓迎するといった旨のプロパガンダ映画としか思えなかった。
主人公は非暴力、殺人のモットーを持ちながらも志願して軍に入隊するが規律を乱す厄介者であり、軍法会議にかけても親の力で逃れるような人物だ。
このように書くと単なる問題児のようだが本人の高い能力と信念、そして親の権力の全てを兼ね備えていることで主人公は活躍する。
上記の通り色々な条件が重なったことで主人公は活躍出来ているのだが非暴力主義でも活躍している様は非暴力主義の愛国者には響くことだろう。
出すぎれば個性。
つくづくメル・ギブソンって凄い俳優&監督だと思ってしまう。
まさに映画的最終兵器(ないですこんな言葉)じゃないけど何度
も沈んで這い上がる運の強さが正にハクソー・リッジみたいだ。
偶然の産物か、またもガーフィールドが信仰心の厚い役を演じ、
これがまたよく嵌っている。ラストに本人の映像が出てくるが、
こんな人がいたとは…と驚くこと必至。だけど思うのは、もし
日本にもこの「良心的兵役拒否」が認められる制度があったなら
何人の息子が志願しただろう、家族がそれを願っただろうかと。
彼の信念は決して揺らがず、どんな虐めやリンチに遭おうとも
それを貫き通し、結果周囲がそこに動かされる。何度も断崖を
行き来し負傷兵を治療、救った行為は確かに素晴らしく尊いが
戦争そのものを批判することは決してなかった。そんなことが
言える時代ではなかったかもしれないが、やはり矛盾が生じる。
軍曹や大尉が何を言ってるんだ?コイツと思うのも無理はない。
昔ある本で読んだ一節に「出る杭は打たれるが、出すぎた杭は
個性とみなされる」というのがあった。読んだ時になるほど~
と思った行為をここで観た思いがする。そして演出がお見事だ。
前半のアットホームな恋愛劇から後半の肉片飛び散る戦場へと
一気に場面が変わって緊張が続いても、要所要所でドラマ性を
確立、どうして彼の演出は弱き者に優しいのかと涙が出る場面
も多く見受けられる。作り方が巧い。やっぱり最終兵器は彼だ。
観るのには覚悟が必要
人の命を奪うということに抵抗があるにもかかわらず、戦争を否定することはせず己の信仰心を貫き通し衛生兵として前線にたった男の話。
人と変わっているが、変わっていることを貫き通す。貫き通したことで男は英雄になった。
自分の信じるものは信じ続けろ、というメッセージを感じた。
戦闘シーンは壮絶で戦争ものをみると毎回思うがこれが人間がやってきたことなのか、と胸が痛くなるばかりか唖然としてしまうほどの迫力。
ハクソー・リッジから負傷兵を降ろし続け、助け続けるシーンでは涙が止まらなかった、、
気軽な気持ちでオススメはできないが、心に残るものはとても大きかったので是非観ていただきたい。
単なる戦争映画ではない
第二次世界大戦で日本で唯一の地上戦があった沖縄で活躍したある米軍の衛生兵の話。実話なので最後に本人インタビューが出てくる。
最初は信仰と信念で銃を持たないで入隊する若者に邪魔者扱いしていたが、色々あっても最後は過酷な戦地で負傷した仲間を救う、勇気ある行動に感動する。戦闘シーンは本当に過激で過酷ですごい迫力。観て良かった。
こんなに健気な英雄像は初めて見ました
これでもか、と迫力ある描写に引き込まれてあっという間に時間が過ぎていました。
もともと題材である沖縄線に興味があったので、前田高地戦の一部分しか描かれなかったのは少し残念ですが、一衛生兵の姿を追ったお話なので仕方ありませんね。
しかし、それを抜いても素晴らしい見るべき映画でした。
戦争という狂気の中、一人信念を貫き『あと一人だけ。。』と自らを奮い立たせる姿に涙しました。
軍対信念、狂気対信仰、対立してなお折れない精神の強さ。
時代や流れに身を任せるのが楽な中、自己を保つことがどれほどに過酷なのか考えさせられました。
戦争の良し悪しではなく、人としての正しさを問いかける。
何処まで行っても熱心なクリスチャンであることに一切ブレがないメル・ギブソンらしく、この映画は戦争映画というよりもどちらかと言えば宗教映画・クリスチャン映画。メル・ギブソンにかかれば、戦争さえもクリスチャン映画になってしまう、と意地悪なことを思いつつも、けれども、「パッション」の時のように、敬虔なクリスチャンだけが理解できればいいというような向きではなく、クリスチャンの教えを改めて反芻して全人類にも問いかけ直しているというような感じで、戦争とキリスト教を通じて、人の正しい行い、より善い人の在り方を考えさせる、そんな映画だったように思う。
だから、この映画は戦争の勝ち負けなどは問題にしていないし、戦争そのものに対しても、軽はずみに好戦的とも反戦的とも言わない中立性を感じる。何しろ、ハクソー・リッジでの接近戦は、人を選ばずに一瞬にして次々に命を奪っていく戦争だ。その人の過去も家族も人柄も背景もすべてお構いなしに次々に殺されてしまう。もちろん敵も味方も関係なく、否応のない死が襲い掛かってくるような状況だ。思わずその無情さに心痛の思いがし、簡単に反戦の意をぶり返してしまいそうになるが、この映画の本当に信念は、ハクソー・リッジから撤退した後の主人公デズモンドの行動にこそある。「もう一人」「もう一人」と念じながら、敵も味方も関係なく救える命を命を懸けて救おうとする姿。戦争というものに於いて安易に「英雄」という言葉を使うのには大変慎重になるが、彼のとった行動は極めて英雄的であったと思うし、救われた人々にとって彼が英雄だったのは間違いないだろうと思う。口先だけの平和主義ではなく、それを行動に移せる強さであったり、その信念の誠実さを感じては、言い訳を作っては傍観しているだけの自分を顧みてしまった。アンドリュー・ガーフィールドの繊細で純真な佇まいと演技がまた素晴らしく、真っ黒になりながら人を救うガーフィールドの健気さと勇敢さに、なんだか目頭が熱くなりそうだった。これは実在の人物の物語だという。彼の生きざまは、今の時代に問いかけ直す意義のあるものだと思う。
メル・ギブソンの人となりについては、語られるいくつかの逸話や舌禍を思い出して何とも言いにくいが、やっぱり映画監督としての才能は認めざるを得ない。ナイーブな青年の心理描写から後半の残虐なまでの戦地の描写まで、とんでもない力量を感じて感嘆するばかり。その上で、とっつきにくそうな題材に一つまみの娯楽性も落とし込んでいるように思え、戦争映画に不慣れな人でも見られるのではないかと思う。まぁ、さすがに観るのが辛くなるようなシーンも少なくない(特に前線のシーン)ので、体調を整えてから鑑賞することを薦めたいとは思うが。
本当は☆5でも良かったが、やっぱりメル・ギブソンの宗教臭の強さが気になって☆4.5で。
アメリカの戦争映画の1つ
沖縄戦を舞台にする珍しい視点の映画だと思っていましたが、
舞台が沖縄なだけであり主人公デズモンドの信仰心とナイチンゲール並の看護力が魅力の映画でした。
後は私が気になっていたのは
どんな風に地上戦を描き、日本軍を描き、日本の表する沖縄戦とどのような違いがあるかということですが
地上戦に至っては、プライベートライアンを超えると評していましたが、実際見ると甲乙はつか難いです。WW2の戦争映画に限らず戦闘シーンの目新しいものは少ない。(そもそも目新しいものを求めるべきでないという倫理観は置いといて)やはり戦争映画見慣れてくると同じようなものかとも考えるのですが、所々は新しいものがあった気がします。(手榴弾の上に敵をのせて塞ぐなど)
日本軍をどのように描くということは
少しやはりエンタメ侍を意識しているようには見えます。それでもだいぶ忠実に描いているのですが、音楽とかがいかにも日本的なものを少し入れていたのに笑ってしまいました。
日本兵は命が惜しくない、というようなセリフがありましたが
やはりベトナム戦争のように、自国に踏み込まれると祖国がかかってる兵士は強いですし士気が違うのを感じます。
日本の表する沖縄戦はどうしても沖縄と国との戦いのようになってしまいがちですが、
ハクソーリッジはそこには触れずデズモンドの魅力だけに焦点を当ててたので議論が起こらないものでよかったと思いました。
話は逸れますが
最近見直した「サトウキビ畑の唄」という明石家さんまさん主演の沖縄戦映画と少し共通点がありました。
明石家さんまさんの役はまさに敵兵を殺さない戦わない民間人であり、家族を大切にする男です。決して人は殺さず、アメリカ兵も家族を持つ人間だと述べてました。
ハクソーリッジのデズモンドは信仰心を貫く意志の強さが美しいですが、人を殺さないという点では同じものでそれが同じ沖縄戦で描かれているのは少したまらないものがありました。
那覇市にある海軍壕公園か牛島司令官が自害した摩文仁あたりかと思いましたが、まさかの浦添城跡らしく驚きました。
海軍壕公園ならば主人公デズモンドが一度間違えて入ってしまった壕に似ているような立派な地下壕が残っているのでぜひともみなさん訪れて見てください。
「もやい結び」が上達した一戦士のお話。
正直、複雑な気持ちである。私が、敵国の作品を見ている。感動すべきかそれともこのよう事実があったということを知っておくべきか。後者として拝見した。この映画のレビュー数に驚いた。
PROの方の感想も拝見させて頂いたが、?????。(そうかな~???。)
ただ、ドスが聖書を肌身離さず持っていたという件があるり。監督の過去の作品から、この作品も「信仰」ということを述べているのだろうか。
この作品では「良心的兵役拒否者」という言葉が、中盤から やたらと字幕で出てくる。私には馴染みのない言葉だ。
以前、日本でも1970~73年日活「戦争と人間」が上映されている。日本側からの太平洋戦争の見方、今回本作品を通しての、アメリカ側からの沖縄戦の見方は違う。これを自分の中で自己消化するのは、酷である。
血ばっか
実話を元にしているとのことですが、リアル過ぎました。
こんなに血ばかりのエグい映画とは。
奥さん連れてこなくて良かったです。
もう少し、内容に重きを置いた映画が観たいです。
ビジュアルはある意味凄かった。
もちろん傑作だとは思う。ただ…
まず、この映画が戦争映画の傑作の一つに数えられることに対して異論はない。
アクションは見所満点だし、キャラクターは立ってるし。
ただなあ。私には主人公が英雄にも聖人にも思えなかった。どちらかと言えば狂人ではないかと思う。
確かに主人公は銃に触らない。が、主人公が助けた味方はバンバン銃を撃つし、人を殺す。
結局それってただ自分の手を汚さないだけで、人を殺すことに加担してるのには違わないように私には思える(例えば足を負傷して歩けない味方を助けるシーン)。
結局、良心的兵役拒否自体がどうなんだって話になり、私はそれは欺瞞だと思うということになる。その辺りは、日本でも矢内原忠雄とか無協会キリスト者が色々論じていたようですね。
ただ言えるのは、「戦争になっても私は人を殺さない」と口で言うのは簡単だが、果たしてお前はデズモンド・ドスになる覚悟があるのかと訊かれると、ほとんどの人は答えられないのではないか、ということだ。私にはとてもじゃないが無理だ。
命
後半、泣けてきた。
戦争の最前線で、一心に命を繋ぎ続けた青年の話しで、夜通し仲間を救助し続けた信念に泣けてくる。
前半は帰還兵である父親が、強烈なアクセントを放ち続け、戦争の苛烈さを伝えてくれる。この役者さんに釘付になったのは今作が初めてだ。
中盤では彼の信念が、その苛烈な戦争の中では、むしろ無用なものだと否定される。
だが、彼は有罪を覚悟しながらも、その信念を曲げようとはしなかった。
後半は戦争の最前線だ。
彼は銃を持たず衛生兵として参戦する。
「誰も殺さない。仲間を救う。」
このシンプルな信念を忠実に体現していく。
戦争が休止する夜に、彼は単独で夜通し仲間を救出し続ける。
これはおそらく衛生兵の任務外の行為であり、罰せられるようなものだと思う。
だが彼は、ひたすらに命を繋いでいく。
もう1人、後1人
夜中に敵地で単独行動する恐怖はどんなものなのだろうか?
いるともいないとも分からない仲間をやみくもに探し、腐臭が漂う戦地を這いずりまわるのは、言葉にできない程の嫌悪感が付いてまわるのではないのか?
だが、それすら凌駕し、体を動かすものが「信念」彼はそれに従い、実行し続けた。
その彼を演じた主役も見事。
人の体は演技であんな風に震えられるものなのか?
自身が戦地を離れ、安全だと判断できた時の体の震え…無自覚のその震えを、明確な意思と目的をもって再現してみせてた。
…驚く。
監督も監督冥利に尽きるんじゃないかと思う。
この作品の優秀なとこは、その命を繋ぐという行為の正反対にある、命を奪う行為を鮮烈に描き続けたという事だと思う。
凄惨な描写があったからこその結果であろう。…戦禍の中にあった人たちや、その歴史を直接的に背負う人たちは、目を覆いたくなるのもしれない。
いずれにせよ、戦争の悲惨さを改めて感じた映画でもあった。
彼が救出したの75人だったか…。
戦争全体から見れば微々たる数だ。
だが、その75人の人生は彼が繋いだ。
そこで断絶されてもおかしくなかった。
継続は絶望的だった。
そんな折に、差し出される手に神の存在を感じたとしても、それは間違いではないのだろうと思う。
良い映画だった。
前半はとても良かったのに
主人公がどういう人物で、どういった経緯で人を殺さないという信念を持つように至ったのか丁寧に描かれていて、前半はとても良かったのに肝心の戦闘シーンからがちょっと長いと感じたりするところがあって残念だった。
最後いきなりの本人インタビュー映像も、説明的過ぎてクドイ。
ハクソー・リッジが落ちて自分も負傷して、最後家に帰るところまで描いて彼の戦争をちゃんと終わらせて欲しかった。
アンドリュー・ガーフィールドの存在
理屈ではない、感情なのである。信仰とは感情を超えたところの理性であるのかもしれないけれど、アンドリュー・ガーフィールドは表情でその部分を演じきっている。
神の声が聞こえるのか?と問われ、聞こえないと答える。その顔。
大切な者が傷つけられても武器を取らないのか?と問われ、分からないと答える。その顔。
戦場で神に願う、声を聞かせてくれと願う。その顔。
常に、笑みを浮かべた表情をしながら、ドスの、その心の中の矛盾に戸惑うような、自嘲するような笑みを浮かべながる、その顔の演技が、鑑賞者に問いかけているような気がした。
どう思う?僕は間違っているのかな?
アンドリュー・ガーフィールドの演技無しには、武器を持たずに、過酷な戦いを続ける衛生兵の姿への感動はなかったと思う。素晴らしかった。
期待して行かない方が
正直、あの切腹は要らなかったと思います。
また、崖の上からどんどん人が降ろされてくるのに、誰も助けに行かないって、おかしくないか??
日本との話だったこともありますが、
二度観たいとは思えない映画でした。
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