ハクソー・リッジのレビュー・感想・評価
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この人、いい人と思われたいんだ~
というような考え方をする人は、様々な相手を、そういう人と勝手に思い込む。
相手の信念など想像する物差しを持っていない。
そんな持ち得なかった物差しを、測らず(図らず)とも獲得してしまう男たちの物語。
手や足を失いながら、命を魂を削りながら・・・
♪先生、三角定規じゃ計れないものがあります♪
そんな内容か?
ではないとは言い切れない・・(汗)
※息子が入隊を志願した事を知るシーンのトム・ドスのセリフは、
似て非なる者を悪む。
というメル・ギブソンのメッセージか。
『プライベート・ライアン』のような戦場の描き方をしてはならないという事ではないか?
少しだけ言うと凄惨なシークエンスとパーソナリティを描く順番と分量だ。
人間に興味があると無いでは根本的に違う。観る側も同じ事が言える。
信念の物語
世界中の地獄を集めた場所とも言われた沖縄戦 前田高地における奇跡の物語である。その地形ゆえに接近した地上戦にならざるを得ず、弾丸が雨あられの様に降り、日米共極限の戦場と言われた場所にこのような一兵が居るとは驚きを禁じ得なかった。激しい戦闘シーンには、心が締め付けられたが、あの地獄の光景の中にただ1人武器も持たず、ひたすらに米兵であれ、日本兵であれ、治療を施し、励ましの声をかけるデズモンドの姿に涙が溢れた。私は無宗教の人間であるが、信仰というものがあれ程に人を強くさせるものなのかとは、知らなかった。あれから10年以上前に撮られたデズモンド・ドスのドキュメンタリー映画を見た。米国の田舎町で質素に暮らしている、どこにでもいる穏やかな老人であった。
凄いリアル
悲惨な戦争を変わった視点で
震える実話
ご存知メル・ギブソン監督、アンドリュー・ガーフィールド主演の本作。アンドリューは『アメイジング・スパイダーマン』でエマ・ストーンとイチャイチャしてた印象があり、嫉妬半分で応援している。最近は『サイレンス』やら本作やら、重厚な作品の主演も務めるようになった。
本作の見所は彼の決して変えない強い信念であろう。「汝、殺すなかれ」の教えの下、決して武器を持たず、他人を傷つけないことを神に誓った主人公。彼女との結婚式に規律違反で投獄され、向かえなくなり、彼女にそのプライドが邪魔をしていると言われる。確かにそうなのだ、しかしそのプライドを捨てたこの先、自分はどう生きていけばいいのだろうか。彼は一人の男として、自分の生き方を決して変えたくはなかったのだ。
その後のハクソーでの彼の決死の救出活動については言わずもがなだろう。
彼を「もう一人、もう一人」と自らの体を傷つけながらも、救出活動を続けさせたのはなんだったのだろう。敵である日本人兵士をも救ったのはなぜだろうか。ただ彼の誠実さによるものなのだろうか?
それはやはりイエスのいう、友愛・隣人愛というものだろう。私はクリスチャンでもなければバイブルさえもきちんと読んだことはない。しかし、彼の、自己犠牲・赦しという考えられないほど壮大な生き様が、多くの信者を生んだのだろう。主人公は、もし大切な人を傷つけられたらどうすると問われると、問題が大きすぎてわからないという。それでいいのだろう。復讐に復讐を重ねたところでポジティヴなものは何も生まない。自分のやるべくは、今自分の前に苦しむ人に助けの手を差し伸べること、それに尽きるのではないか。平等の愛、自己犠牲、赦し。これこそが神の生き様なのである。
本作のようなテーマの映画は多数あろう(私が最近鑑賞した中では『灼熱の魂』が素晴らしかった。)。しかしこの作品の物凄いところは実話であることだ。実話とフィクションでは我々が受け取るものが異なってくる。この作品をノンフィクションと思えない方も多いはずだ。私もそのうちの一人である。こんな生き方をする人があっていいのか...むしろ、このような生き方をできる人がいる中で、自分がのんびり劇場で座っていて良いのだろうか?この映画を観たあなたは、この映画をただ良かった、感動したの一言で終わらせるのか?その1時間後にはSNSで下らない話題に薄っぺらい笑みを浮かべているのだろうか?私にそれはできない。彼と同程度までは言わないが、自分がこの世界に対して、いや、もっと狭くてもいい、自分の身の回りにおいて、どのように生きていくか。何が必要とされているのか。自分のすべきことは何か。言い過ぎにも聞こえるが、そういったことを伝えるのが、ノンフィクションの意義ではないだろうか。
最後に、余談だが、恋人役のテリーサ・パーマーがめちゃくちゃ可愛い。
アンドリューの恋人役が毎回超絶美人なのは、非常に歯がゆい。関係ないが、ジェシー・アイゼンバーグにクリステン・スチュワートを当てるのも歯がゆい。羨ましい限りだ。
メル・ギブソン 10年振り監督作
切り口が個性的な戦争映画
塚本監督がメルギブ映画のことを『この人は暴力が大好きなんじゃないか』と語っており自分も同意で、ただ一方で敬謙なキリスト教徒でありそういうテーマで映画も撮ってたりして、どうにも謎の存在な映画監督な訳ですが、映画は極めて正統派でした。
前半のドラマ部分をしっかり見せていて、後半とうまく対比していた。沖縄の戦闘シーンは何も言えないほどの壮絶さで。
ただ戦場の英雄的行為をしたこういう人がいた、というだけでは入り込めなかったな。日本側にもドラマがあるだろう、と思ってしまった。
その点はメル・ギブソン監督に限らず全ての戦争映画に言えることですけども。
単なる戦争映画ではない
昨年度のアカデミー賞で多くの部門でノミネートされていたので鑑賞。メル・ギブソン監督の作品は初だった。
キリスト教への強い信仰心から銃を一切持たず、沖縄戦で多くの人の命を助けた衛生兵の物語である。
まず、個人的にキャストがとてもよかったように思えた。特に兵士たちのそれぞれの個性溢れるキャラを俳優陣が見事に演じていたと思った。テリーサ・パーマーはとてもキュートだったが、ちょっと演技は微妙だったようにも思えた。
私的にある1人の兵士を追う戦争映画はとても好きなのだが、銃撃シーンなどよりもその主人公のバッググラウンドを重視してしまう。兵士となる以前の困難、あるいは戦後の困難、本作は前者だか、そこがとても見応えがある。
確かに戦闘シーンはプライベート・ライアンを彷彿させる壮大なスケールとグロテスクさである。個人的にはその戦闘シーンの描写に忠実性を求めたいところだが、メル・ギブソン監督はリアリティを追求してくれた気がする。
戦争映画によくあるのは、どこか酷くて鑑賞後に後味が悪いこと。ただそれが戦争映画のイイところなのではあるが、本作では割りと鑑賞後は心地よい余韻にひたれる。
久しぶりに「イイ映画!」といえる作品に出会った。
私には刺激がつよかった…
反日映画かと思ってました
戦争の価値、愚かさ、悲惨さを 主人公の生立ちからきた信念、強さ、 ...
主題は戦争ではない
今作は沖縄戦を通して主人公の信心深さを描いてる。沖縄戦はそれを表現するための過程に過ぎない。今作の主題は戦争ではなく、宗教だ。
主人公が、軍の中ではみ出し者にされても、暴力を振るわれても、自分の信念を曲げない姿には思わず涙してしまった。
戦闘シーンはプライベートライアンに並ぶほど残酷な描写だった。人間が一瞬のうちに死んでいく姿に、自分は胸が締め付けられた。戦争は人間の心も体も破壊するというのが強く伝わってきた。
今作は、宗教上の問題で「決して人を殺さない」という信念と、人を殺すのが当たり前の戦争を並べている。この相容れない二つのテーマを上手く一つの映画にまとめられていた。
変に戦争を肯定するわけでもなく否定するわけでもなかったため良かった。最後のインタビューはあざと過ぎないかな?w
アンドリュー・ガーフィールドの醸し出す草食系の雰囲気はこの映画にぴったりだった。
恐怖の戦場体験
主人公の行動は信仰心に基づくものだから、宗教心が高くない自分には今...
助けようとする人達と、自ら自決する人達
素直には楽しむことができない映画。切腹のシーンや白旗を挙げる日本軍のシーン。
TOHOシネマズ西宮OSで映画「ハクソー・リッジ」(Hacksaw Ridge)を見た。
人を殺してはならないという信念を持って、
衛生兵となった米国人青年の実話がベースとなった映画。
監督はメル・ギブソン。
見に行く数日前に、カミさんが「これ沖縄の話やな」と言った。
「え!そんなわけないやろ。ノルマンディーとかそのへんの話だろう」
と応えた。
見てみると実際に第2次世界大戦の沖縄戦の話だった。
自分は映画は娯楽であり楽しみで見る。
毎年50本以上を劇場で見るのだが、
この映画は素直には楽しめなかった。
米軍の戦闘の相手がわが軍(日本軍)であり、
戦場においての切腹のシーンがあったり、
また日本軍が白旗を挙げて油断した米兵に向けて手榴弾を投げるシーンなど、
このような卑怯なことをわが軍が試みることが実際にあったのだろうかと感じることもあった。
上映時間は139分。少し長さを感じる。
満足度は5点満点で3点☆☆☆です。
監督『メル・ギブソン』
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