ハクソー・リッジのレビュー・感想・評価
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凄惨な戦場描写をみて
ちゃんと戦争を恐れるってことが大事だと思います。 死んだ祖父のことをずっと考えました。 戦争は人を狂わす。美化してはならない。 世界はこんなに多くのことを経験してるのに、戦争を繰り返すのかな… などと考えさせられました。
知らなかった事実
銃や武器を持つことを拒否しながら衛生兵として従軍した米軍兵士がいた事を初めて知った。激戦の中で75人の兵士を救うというのはまさに英雄だろう。戦闘シーンは今まで観た戦争映画で最もリアルな戦場だったと思う。
ただの「勇敢な臆病者」の話だったのか?
戦闘シーンの迫力、その悲惨さの描写は100点満点。 今まで隣にいた戦友がさしたる理由もなく、単にそこにいたというだけで死体になる戦争の理不尽さがよく分かる。静かに「戦前」に向かいつつある今こそ塚本晋也監督の「野火」と合わせ、戦争の愚かさを理解すべき。 一方で何故彼が、武器に触れないのに志願したのか?触れないといっていた銃を最後に利用するのは何故か?については釈然としないまま。ただの「勇敢な臆病者」の話で終わらせない方が良かったのではないかとの思いは拭えない…
戦争とは何か
戦争の意味を理解しながらも、人を殺める事を頑なに拒絶し、信念を貫いたデズモンド。 大きな、大きな仕組みの歯車のひとつでありつつも、その中で自分の出来る事を全うした。米国視点の作品だけれど、事実に基づく内容に尊意を感じました。 そして戦争って何のか、わからなくなってしまった。。。 家族を守る為。自尊心の為。人を殺したい為。追い込まれた為。 一瞬で消える命。ただただ恐ろしかった。 オバマ前大統領が、この国の若者をもう死なせないと戦争をしなかった選択。 あれは間違いだと思っていた。でも違うのかもしれない。。。 私の祖父は海軍だったが、こう言う戦禍をくぐり抜けたのか。 もっと話を聞きたかった。 祖父が生きていたら、昨年のアメリカ議会での安倍首相の演説、 そして和解、どういう風に聞いてただろう。祖父に思いを馳せずにいられなかった。 排他的議論がいかに愚かで、危険な事かがよくわかる、価値観を揺るがす映画でした。
Please help me get one more. ものすごい真実の物語。
「アポカリプス」以来10年ぶりとなるメル・ギブソンの監督作品です。やっぱりメル・ギブソンは「変態」と称されるだけあって凄まじい内容の作品でした。もともと「ブレイブ・ハート」でアカデミー賞取ったりと映画人として才能溢れる人間だったのに、プライベートでのDVや差別発言等でハリウッドから総スカン食らって、これまで溜まってたんだろうなぁっと想像できます。見事な復活劇です。
血肉吹き飛ぶ容赦ない戦争描写はいかにもメル・ギブソン。武器を持つことを拒否する主人公デズモンドへの軍からのいじめも容赦ないですし、戦場で亡くなった兵士がウジやネズミに食べられていたりともう色々と容赦ないです。そんな中でも自分の信仰と信念を貫いたデズモンドは単純にスゴいなっと思えます。怪我人を救う為に戦場を駆け回る姿は手に汗握りました。固くなすぎて、もし部下とかにいたら扱いづらくてしょうがないでしょうけど。
メル・ギブソンの映画ってとにかく印象に残るんですよね。見終わった後に色んな思考がブワァーっと出てくるんでレビューもまとまんない!メル・ギブソンも敬虔なクリスチャンでありながら、アル中でDV男だったりするので。今作のデズモンドではないにせよ、ちょっとおかしな所がある人なんだろうなぁっと思います。「デズモンドの父親のヒューゴ・ウィーヴィングはメル・ギブソン自身の投影で、デズモンドはメル・ギブソンの理想」という考察は正しいと思われます。
作品はあくまで個人の物語とすることでアメリカのプロバガンダには陥ってないです。アメリカ兵に「敵が攻めてきたら命懸けで家族を守る」みたいなセリフを言わせながら、この作品で侵略をしているのはアメリカで、命懸けで守ってるのは日本側ですしね。なんて皮肉!!もともとメル・ギブソンはオーストラリア人でありアメリカ人じゃないので、アメリカ万歳にしていない所が良かったです(多分メルはアメリカ嫌い)。もしアメリカ人監督だったら前田高地(ハクソー・リッジの日本名)を占領した後に星条旗がはためいてる描写を入れてくるに違いない!
尚、日本人の切腹シーンはメルなりの武士道へのリスペクトだと思われます。核としてキリスト教の信仰を描いてる反面、日本人の精神も描いたのは公平な描写と思うのですが如何でしょうか?
もちろん映画を観てる瞬間も、観賞後にのんびりとレビュー見てるこの瞬間も、日本じゃない他の国ではこの作品のような戦争が現在進行形で起こっています。世界有数の安全な国である日本で安全な環境で観る物凄く痛ましい戦争映画。しっかりと悲惨な場面を描写することで戦争状態にいない事へのありがたみを感じれるような重く響く作品でした。
深みのある傑作
戦争映画であり、戦闘シーンで『プライベート・ライアン』を引き合いに出された売り文句がある為、「武器を持たずに戦場に立った衛生兵の英雄譚」かと思って観に行ったが、観劇後の感想はもっと深いテーマをもった映画だったと思った。
まず戦闘シーンはプライベート・ライアンに比べてそこまで過激かというと個人的にはそう思わなかった。
舞台になった戦場が大戦中屈指の激戦地、沖縄であるからそりゃあ凄惨だろうと思うし、演出がめっぽう上手いのでうずくまりたくなる程の恐怖感がある。
これはもうメル・ギブソン流石と言うしかない。
日本兵の描き方もよかった。
重要なテーマである宗教と信念に関してもライアンより考えさせられる事多し。
信仰のない自分にとって、デズモンドの信仰からくる信念は最早ヤケクソじゃないのかこいつ、とかトランス入ってんな、とかそんな感じで観てしまった訳だが、信仰とはそう言うものなのだろうか。
まぁ、根底が神であれ自己であれ結果その行動が多くの命を救ったと言う結果は変わらないので素晴らしいとは思う。
特にこの映画は日本人が見る事で深みを増す映画だと思う。
人を殺さない信念をもった男が戦場に立つ訳で、その戦場は後に戦争自体を憲法で禁じ戦場に立つ事を放棄する国な訳で、、、。
仮に軍隊を持ったとしても、デズモンドの様に殺さないという強い信念が皆にあれば戦争には参加しないのだろうが、今のこの国が戦争を行わないのは平和への強い信念ではないだろうから、、。結局憲法に縛られていないと戦争論が強くなれば大勢迎合し兼ねない国民性を嘆くばかりだ。
デズモンドが兵役を志願した理由や決意、戦場でとった行動を観ていると、戦争とは、戦場に立つ意味とは?と、日本人として考えさせられました。
多くの人に観て欲しい映画だと思った。
信念と葛藤
神と話したこともないし、そんな事はありえない。 そう言いながらも強い信仰と信念で銃は持たないし人殺しはしない。 戦争は否定しないし国のために兵士になりたい。 この矛盾にどう折り合いをつけ仲間と戦場に向かうのか? 戦争映画というよりは実在した一人の男の生きざまを描いた人間ドラマでした。 誰もが疑問に思うこの信念を貫き通す強さに、やはり感動してしまいました。 題材が沖縄戦という事で、こちらとしては色々思うこともありますが、そこは史実なので。(脚色の仕方もありますが) 人間、どんな形であれ、ここまでやれば感動させられるんだなと… いい作品でした。
どこが脚色でどこまで史実通りなのか判断がつかない。見終わってからw...
どこが脚色でどこまで史実通りなのか判断がつかない。見終わってからwikで調べるとおもしろいかも。 メルギブは両手に聖痕&重いものを担いで歩かせるフェチ
戦争とは何かを自らの内面に突きつけてくる映画
米国の描いた、実話に基づく沖縄戦の映画ということで観たけれども、戦略的戦争映画というよりは、殺し合う戦場で主人公が殺生禁止の強い宗教的信念から武器を持たない衛生兵として いかに英雄的行為を行ったか、を描いた作品で、色々と考えさせられた。 生々しい肉弾戦が話題のようだが、戦争とは何かを自らの内面に突きつけてくる映画だった。 一見、戦争映画なのに法の支配と(米国)憲法の重みに触れているのも感心した。
映画の中で「平時には息子が父を弔うが、戦時には父が息子を弔う」というシェークスピア的台詞が印象的だった。
主人公の生き方は日本国憲法9条の決意に通じるものがあるのでは、と思えた。
デズモンドは9条信者だと考えると、見えるもの
別に、政治論争するわけではありませんが、 思ったことを少し。 デズモンドが、人を殺さないと決心して衛生兵として戦場に行くのは勝手で、尊敬に値します。 でも、それが可能なのは、周りで命をかけて銃を構えてくれる仲間がいるからです。 命をかけてデズモンドを守ってくれます。 9条があるので、戦争しませんよ。といってる日本と同じです。 日本が、その道を行くのはいいですが、 デズモンドもその前に、様々な暴力や虐待に耐えて その信念の強さを証明しました。 日本は、虐待に耐える、その覚悟があって、9条を持っているのでしょうか。 本当に、その道を行くには、 戦争に参加する以上に複雑て、困難で、苦難な事だと思います。今まで、そんな苦難してきたの? では、何故、終戦後、日本は9条で守られ続けて来たのでしょうか? そうです。この映画でもわかるように、アメリカという世界大国に、正面から戦った国が、日本だけだったからです。 アメリカは、そして、映画では、まるでゾンビのように描かれる日本兵、日本人の恐ろしさ、勇敢さを目の当たりにしたのです。 結果、民間人をもいとわない空襲、民族差別ともいわれる原爆投下、を行ないました。 言わば、苦難は、戦時中の日本人が受けたのです。 今、ノホホンと、9条守れと言ってる人は、 苦難だけ受けさせて、いいのですか? せめて靖国に参拝ぐらいしてあげても良いのではないでしょうか? 戦争は、軍部が勝手に無計画に起こしたから、 民間人は、犠牲者だっていうなら、アメリカ兵だって 犠牲者です。 アメリカ兵にも、日本兵にも、そこには、国、故郷、恋人、妻や子供を守りたいという、 信仰と言ってもいい、想いがあっただけだと思います。 その結果、ウジが湧き、ネズミに食われるなんて、 悲しすぎます。 これから、そんな苦難を受ける覚悟が、つまり、9条を守る覚悟が、自分にはあるなんて、恥ずかしながら、到底、言えません。 失礼しました。
生き残る事が奇跡!?
まざまざと戦争や戦場の恐怖を思い知らされた。 白旗を挙げ最後の攻撃を仕掛ける日本人に敗けを認める選択をせず自害する日本人に目頭が熱くなり日本人の強さと異常さに怖くなる反面、逞しさも感じ日本人として誇りにも思える。 本作を観ても戦争に肯定的な日本人がいるのなら頭がオカシイと思うし本作を観て尚更、戦争の無い世界を考えなければ。 切腹するシーンは綺麗に演出され過ぎていて別の作品を観ている感じになったが哀しかった。
戦場で人を殺さず、救うことで戦う。戦時につらぬき通すことは、本当に...
戦場で人を殺さず、救うことで戦う。戦時につらぬき通すことは、本当に奇跡だったのではないだろうか。 確かに、人を殺さず救うという行為は尊いけれど、救った仲間の傷が癒えたとき、その仲間はまた戦場に戻って人を殺すかもしれない。戦争という行為そのものが虚しい。
嗚咽した。理由は分からないけど、辛いっていうか感動というか、言葉に...
嗚咽した。理由は分からないけど、辛いっていうか感動というか、言葉にできない感覚 戦争映画はあまり好きじゃないけど、これは、一度観てよかったかなと でも、もう観たくない
生々しい戦争の軌跡
武器を持たずに多くを救い、誰も殺さなかった兵士の実話。と題打たれた作品。戦場がメインで戦争の凄惨さを描くのかと思いきや、主人公であるデズモンドの青年期から兵士に至るまでを丹念に描き、戦争ものではなく人間ドラマのようだった。とはいっても戦争の描写はすさまじいものがあったのだけど。 なぜだかわからないけれど、観る前はデズモンドが工夫を凝らして戦場から負傷者を助けまくる話かと思っていた。最近の邦画の戦国ものだと少数人数が工夫を凝らして大軍を退ける話が多かったからかもしれない。けれど、実際に必要だったのは鍛錬鍛錬鍛錬。諦めない気持ち。絶対に武器を持たないと宣言して、部隊内で孤立したときもただただ実直に自分の意見を貫いていた。 これはデズモンドが胸に灯す信念を描く話だったのだ。単なる戦争ものでもなければ、戦争時におけるイレギュラーな英雄譚でもない。一個人が自身の信念を燃やして奮闘する、熱いドラマだったのだ。 もちろん戦場の緊迫感や凄惨さもきちんと描写されている。それだけにハクソー・リッジの戦いが沖縄戦であったことを宣伝しなかったのは残念。終戦記念日が近づくと必ずある、人を殺すこと、人が死ぬことはただただ恐ろしくて悲しいという戦争ドラマとは一線を画していたから。日本のドラマからも、こういう人ひとりに焦点を当てた、過度に感情を煽らない戦争ものが出てくると嬉しい。
ちゃんとした日本語で再現された沖縄戦
さすがに切腹介錯シーンまでいれる必要はないと思うけど、局地戦の迫力はプライベートライアン以上。 2日目もまた崖を登り始めた時はゾッとした。 「もう一人」one moreで涙 この映像でPG12ということは教育的意義を認めてということなのか。浦添城跡の南東、西海岸側の崖
信念を貫くこと いちばんの強さとは何なのか 武器を持ち戦い勝つこと...
信念を貫くこと いちばんの強さとは何なのか 武器を持ち戦い勝つことなのか 強い信念を貫くことでまわりも変えられる システムまでも変えられる力がある 戦争の善し悪しの話ではない
信仰心の強さが
メル・ギブソン監督。
第二次世界大戦の沖縄を舞台にした衛生兵デズモンド・ドスの実話。
戦場を描いているが、主題は繰り返し試される信仰を貫く姿勢とその尊さ。
幼い頃から敬虔なクリスチャンで、「汝、殺すことなかれ」の戒律を固く守り通し、兵役に志願し、訓練中も戦場でも武器を携帯しない。
軍法会議にかけられても信仰は揺るがない。
沖縄戦のハクソーリッジに到着し難攻不落の激戦に際しても、武器を持たずに前線に乗り込むデズモンド。
日本兵の抵抗は激しく、6回撃退された難所では米兵も次々に倒されていき、予想以上に凄惨な情景が広がっていく。
デズモンドの使命感、神の言葉は聞こえなくても、人を殺すことでなく救うことが自分の役割とばかりに、瀕死の兵(日米)を助けて壁から降ろしていく。
デズモンドも傷つき前線を退くまで、貫き通した自らの信仰心。
デズモンドを演じたのは「沈黙」で日本を舞台とし宣教師役で信仰の強さを試された、アンドリュー・ガーフィールド。
奇しくも今作でも信仰心を貫く過酷さと、力強さを表現している。
本題とは離れるけど、日本兵が倒されていくのは正直涙ぐましい。圧倒的な物量を誇る米軍に壊滅状態になっていく様を、沖縄の人はどう見るんだろうかと思ってしまった。
アメリカ人は英雄が好きだからねぇ
日本人としては複雑かなあ 当然だけど日本人兵は敵としてしか表現されていないから。 未だ遺恨の残る沖縄地上戦の話しだしね。 戦争の虚しさは伝わるけど結局英雄賛歌だし。 メル・ギブソンは日本人のことどう思ってるのか、ちょっと聞きたい気になりますね。
信念、信仰。汝、人を殺すなかれ
戦争映画であるが、根幹にあるのは「信仰」、そういう映画。 米国ヴァージニア州の田舎町で育ったデズモンド・ドス(アンドリュー・ガーフィールド)。 父親のトム(ヒューゴ・ウィーヴィング)は第一次世界大戦に従軍し、親友三人を戦争で亡くした。 第二次世界大戦が激化する中、ドス家では兄のハルが志願し、そしてデズモンドもほどなくして志願する。 しかし、デスモンドは、過去の行為から決して人を傷つけないと心に誓っており・・・ というところから始まる物語で、前半はヴァージニアでの暮らし、中盤は陸軍基地での訓練の様子、後半は沖縄・ハクソー・リッジでの激戦と三部構成になっている。 後半の沖縄戦では、血しぶきも内臓も火炎も泥濘もネズミも腐肉も一体となった凄まじい様子が描かれるが、前半・中盤のドラマ部分がなかなか素晴らしい。 決してひとを傷つけない、武器は持たないと心に誓うデズモンドの心を丁寧に描き、彼の心の繊細かつ強靭さがわかるように描かれている。 それは、かつて犯した出来事・・・ 幼い日、兄弟げんかの末に兄を殺しそうになったこと。 青年になってからのある日、酔った父親に銃を向け、心の中では引き金をひいていたこと。 心に深く刻まれる、十戒の「汝、殺すべからず」の戒め・・・ しかし、戦争はひとを殺すところだ、愛するひとを守るためには敵は殺さなければならない。 そう教え込まれるが・・・ 平穏な日々と訓練の日々、そして激化した戦場という構成は、キューブリック監督の『フルメタル・ジャケット』に似ている。 しかし、あの映画では、普通の精神の持ち主を殺人マシーンに仕立て上げ、戦場に送り込む、そういうありさまを描いていたが、この映画の主人公は殺人マシーンになることを頑なに拒否する。 そして、その信念の強さ(信仰と言い換えてもいい)が、ハクソー・リッジでの人間離れした(神々しいまでの)行動に繋がっていく。 この映画は、基本的には、戦争映画の英雄譚の変型なのだろうが、それを越えたところまで描いているように思える。 信念、信仰、そういうものだ。 だから、ハクソー・リッジの陥落という、戦争における勝利の描写など不要。 (だが、英雄譚なので、描かざるを得ないあたりが、もどかしい) 信念、信仰などと書いたが、そんなことより、この映画を観終わって真っ先に感じるのは、「戦争は絶対に起こしちゃいけない」。 どんなに理由があろうと、戦場には「勝つ」「負ける」に二元論しかなく、それ以外の感情など余計なもの。 そして、戦場では人間は、血しぶきと肉塊になるしかない。 繰り返すが、「戦争は絶対に起こしちゃいけない」。
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