「もちろん傑作だとは思う。ただ…」ハクソー・リッジ tkurimuさんの映画レビュー(感想・評価)
もちろん傑作だとは思う。ただ…
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まず、この映画が戦争映画の傑作の一つに数えられることに対して異論はない。
アクションは見所満点だし、キャラクターは立ってるし。
ただなあ。私には主人公が英雄にも聖人にも思えなかった。どちらかと言えば狂人ではないかと思う。
確かに主人公は銃に触らない。が、主人公が助けた味方はバンバン銃を撃つし、人を殺す。
結局それってただ自分の手を汚さないだけで、人を殺すことに加担してるのには違わないように私には思える(例えば足を負傷して歩けない味方を助けるシーン)。
結局、良心的兵役拒否自体がどうなんだって話になり、私はそれは欺瞞だと思うということになる。その辺りは、日本でも矢内原忠雄とか無協会キリスト者が色々論じていたようですね。
ただ言えるのは、「戦争になっても私は人を殺さない」と口で言うのは簡単だが、果たしてお前はデズモンド・ドスになる覚悟があるのかと訊かれると、ほとんどの人は答えられないのではないか、ということだ。私にはとてもじゃないが無理だ。
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チンプソンさんのコメント
2017年7月10日
デズモンドの信念は尊敬に値するくらい相当なものっていうのは重々わかるんですが、
それを「素晴らしい」って言ってしまうと、まがりなりにも信念を貫いてテロやらを実行してるISやアルカイダといったものたちを正当化するようなものに感じて、気持ち悪かったですね。
多分あまりにも英雄談として着地させてしまっているのが違和感の正体だと思います。
実際デズモンドさん、PTSDにその後かかって、あの状況の凄惨さを物語ってるわけですが、映画ではPTSDになった描写ありませんでしたからね・・・