「メルギブ天才」ハクソー・リッジ 90'sさんの映画レビュー(感想・評価)
メルギブ天才
この作品はヒーロー映画だ。主題は戦争批判でもアメリカ万歳でもない。また、パッションから続く、メルギブ監督作の宗教もの作品の続編でもある。メルギブの監督としての才能を再確認させられた作品である。後半の地獄絵図パートをゲーム的だとか批評している人もいるようだが、自分は全くそう感じなかった。ゴア描写はプライベートライアン並みであり、もっとグロを想像していたがそこまでではない。が、しかしカット、構図、見せ方が上手いためか、まだこの地獄のシーンが続くのかと戦争のリアルを体感できる。過去の戦争映画作品のなかでも群を抜くリアリティ。そして、戦争の悲惨さ、不毛さを感じさせる。人によっては映画ならではの醍醐味である観客という安全地帯からのアトラクション的疑似体験でもあり、エンタメと感じるかもしれない。
自分はラスト30分から涙がとまらなかった。今振り返ってもなぜかわからないが、感動の涙とは違うはじめての感情。
人によって印象が異なる作品。やっぱり芸術作品(映画、音楽、絵画など)ってそのほうがいい。
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