特捜部Q Pからのメッセージのレビュー・感想・評価
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キャラクターの魅力による安定した面白さ
本作が、というか特捜部Qというシリーズが面白い理由は、特捜部が窓際部署であり、事件かどうか分からないけれど一応捜査するかみたいな案件を扱うため、そもそも事件なのかどうかから物語が始まるところだ。つまり、ミステリージャンルでありながら犯人探しや動機探しをするわけではなく、事件探しをするのである。
事件ではなかったら物語が成立しないので事件であることは間違いないのだが、調べていくうちに事件として確定していく様が面白い。
なんというか、事件なんだけど事件の内容、全貌が見えない暗闇の中を勘を頼りに進む特捜部の二人を見る楽しさがある。
今回は信仰についての物語で、信仰をくじきたい神を信じる男、違う神を信仰するアサド、そもそも神を信じないカールという三つ巴で面白くなりそうだったが、残念ながらそうはならなかった。
それでもキャラクターの良さで楽しむことはできる。
少々病み気味のカールのことはあまり好きではないけれど、まあそれなりに優秀なんだろうなとは思うし、なによりアサドのキャラクターはいい。
デンマークにおいてはその信仰も人種においてももちろんマイノリティで回りからは厄介者のように扱われているが、とにかく優秀。
そして、カールだけはアサドを無視せず一人の人間としてぶつかり合う関係性がいい。
一見仲が悪そうな二人だけれど、しっかり見てくれるカールはアサドにとって少しだけ特別なんだろうなと思う。そこがアサドがカールを「友人」と呼ぶ理由だろう。
カール、どうした?
なんだかんだで観てしまった
原作未読。
映画1作目のみ鑑賞済み。2作目は見つからなかったのでこちらを鑑賞。
1作目で北欧チックな重くてどんよりとした雰囲気に心が重くなりつつ、結局観てしまった。
今回は前回以上に緊迫感が常に漂っていて目が離せない。
アサドとカールの宗教観についてのやり取りが非常に興味深かった。自分の根本となる信心を馬鹿にされても、きちんと対話しようと試みるアサドはどこまで人間が出来ているのかと感心する。
ただ、最後のシーンでは確かにカールの心に響く何かがあったようで、カールの心が少しでも救われればいいなと思ってしまう。
なんだかんだで次回作も観てしまうのかも。
物語の悲愴感を映像美の中に表現
映像の風景や街の美しさの中に、孤独や寂しさが常に漂い、その中で物語が進んでいく。
作品の世界観を示すかのような雰囲気が、全編を通して視覚的にちりばめられている気がした。
主人公など登場人物の背景を説明するようなセリフはほとんどなく、見る側に想像力を求められるところが多い。そのため、他の作品を見る時よりも、人物の表情や言葉の抑揚を気にしながら見ることになり、いや応なしに物語に引き込まれていく。
一方、宗教への感覚が日本社会とは違うせいか、共感度がいまひとつ高まらなかった。頭では理解できても、心理的にどう扱ってよいか分からない、そんな感覚が残った。
ストーリ展開で少々おおざっぱな感じだったことと、終盤で「普通そう展開はしないでしょ」と思う場面が多かったと感じた。
人物の心理状態や背景に、大いに想像力をはたらかせながら、見る人それぞれが自分なりの解釈を加えて楽しむことができる作品だと思う。
息するのも忘れそうなくらい観入っていまいました!
久しぶりに夢中になって観入ってしまった…。
やっぱりこのシリーズは凄すぎる。
1分1秒が、行き着く暇もなく緊張感を漂わせながら進んでゆく。
今回は信仰宗教の話。
エホバの証人の家族を襲った誘拐事件。
神を信じて生きていた家族に襲った不運に、毎度お馴染みのカールとアサドの凸凹コンビが事件を調査する。
今回は早くから犯人が分かっているけれども、その犯人の手強さが強靭すぎ!
警察が足掻けばあがくほど、犯人の思う壺なものだから、誘拐された家族が不運すぎます。
自分を悪魔と呼び、神を信じる家族を悉く苦しめる姿はやはりサタンそのもの。
彼自身の悲しき過去がこんな最悪な人格を創り上げたみたいですが…。
やっぱり育ってきた環境って子供にとってすごく大切だと痛感させられました。
現在子育て中の自分にとっては、他人事とは思えない事件。
特捜部Qやっぱり取り上げるテーマといい、内容といい本当にミステリー好きには堪らない作品。
凄すぎる作品を本当にありがとう!って言いたい(笑)
独特のキャラクターに、緊張感漂うサスペンス
何を信じるかは人の自由
カールとアサドの関係性がさらに深まったシリーズ3作目。
ミステリーとしての伏線の複雑さなどは1,2作目に比べてやや解消されてきた感があるが、その分信仰やアイデンティティーの問題が深堀されている。
終盤、PTSDに悩み、信じることそのものを放棄したカールに、その意義を呼び起こしたのが、犯人とその被害者である少女だったことに、とてつもない皮肉と悲哀を感じる。
アサドは相変わらずのアサドであった。
教義的な理由から被害者の父に疎遠にされながらも、最後まで寄り添うのはアサドだし、犯人との対決の最後は、アサドが犯人に洗礼を施しているかのようで印象的だった。
彼の深い愛情がどこから湧き出ているのか、いずれその出自とともに明らかになる作品が制作されることを願う。
デンマークの美しい情景の中で繰り広げられる凄惨な出来事に、人間の果てしない業を感じる。美しくも物悲しい作品だった。
コールドケースを扱うシリーズ
神が救わなかったDV被害者が連続殺人鬼に
出来る秘書、ローセの活躍シーンは増えた。二重人格設定はなし。
アサドの出自などは一切なし。最初は廃人同然のカールが最後に少し回復傾向をみせる。まだ続く感じ。
子供の連続誘拐殺人
ハサミが凶器、前2作ほど残虐シーンやショッキングなギミックない。
イケメン刑事の最後は悲惨な感じだったけど。
よく分からないカールとアサドのデンマークジョーク
風力発電風車の海と病院の待合室の夕陽がきれいだった。
心の闇と神の存在性
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