「圭くん、亜人なら美波ちゃんの膵臓をとっかえてあげて(笑)!」亜人 Naguyさんの映画レビュー(感想・評価)
圭くん、亜人なら美波ちゃんの膵臓をとっかえてあげて(笑)!
すでに劇場版アニメ3部作が2015~2016年に公開されている。3部作でもかなり濃密だったので、"ホントに120分でまとまるのか?"、原作ファンならずとも、実写版の出来不出来が気になるところ。
初日にMX4Dでチャレンジしたが、実に効果的で面白い。日本のメジャー映画も、ディズニー並みに 4Dの使い方が分かってきている。4D映画としても薦められる。
監督は「踊る大捜査線」シリーズの本広克行監督で、コンパクトによくまとまっている。主演が佐藤健だし、そのスピード感は、"るろ剣"並みかもしれない。
むしろ本作が初見で、"亜人の再生原理"をよく理解できていないと、展開が忙しすぎるかもしれない。自殺しても、"一瞬で生き返る"から。そこが闘いの駆け引きになっている。
また、亜人から出現し、亜人だけが見える黒い物体"IBM"(インビジブル・ブラック・マター)の説明もほとんどない。大丈夫だろうか。そのIBMの声を、アニメ版の永井圭の声優・宮野真守が担当している。つまりW永井圭の共演というわけだ。
しかしスピード感は評価できる反面、その分、佐藤健が演じる主人公・永井圭のパーソナリティの掘り下げができていない。
永井圭は合理主義者で、世間を冷めた目で見つめ、もっとシニカルな態度を取る。その永井圭の考え方が少しずつ変化していく様は、本作では楽しめない。時間が足りないとすれば、ここ。
亜人のリーダー"佐藤"役は、やっばり綾野剛。そんな予感がしていた。風貌は、原作に忠実に再現し、目も細めて、声色はアニメに限りなく寄せている。
また永井圭の妹役を、"キミスイ"で話題の浜辺美波が演じている。演技が自然で巧いね。それにしても、またしても病弱とは!! それこそ、アニキの再生した膵臓を移植してあげれば済む話じゃないだろうか、と思ったりして(笑)。
続編が作れるように仕立てられているので、はたして?
(2017/9/30 /TOHOシネマズ新宿/シネスコ)