劇場公開日 2017年5月27日

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「それでも光は必ず見える」光(河瀬直美監督) 琥珀さんの映画レビュー(感想・評価)

4.5それでも光は必ず見える

2020年3月31日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

本当に残念でなりません。

この映画をコロナの影響の無い状況で観ていたら、
老いや喪失や叶わぬ願いの先に見えて来るポジティブな光、或いは、この世界は決して闇に包まれているわけではないという(根拠は不確かなのに)なぜか確かな希望を抱くことのできる素晴らしい映画として、もっと素直に感動していたはずです。

現実世界においてこれほど先の見通せない今、一体〝光〟はどこにあるのだろう、そのような思いの方が優ってしまいました。

DVで苦しんでいる家庭では、在宅時間が増えた暴力的な父親が子どもや妻を虐待していないだろうか。
イジメを受けている子どもは、一時的に先送りになっている登校が再開したら、コロナ絡みのあだ名やイジメで苦しむことを想像して精神を病んでいないだろうか。
自粛でたまっているフラストレーションがパワハラなどに表れないだろうか。

最近、テレビなどでも一部の有識者が食料のサプライチェーンの話に言及しています。自由貿易もいいけれど、食糧自給率40%を切っている日本はこの際、中国やアジアからの実習生が来なくて困っている農業や酪農にフリーランサーや非正規の方たちの力を活かす場がないか(人手不足の解消という短絡的な話ではなく、将来の日本の食の安全確保のためのアイデアが湧いて来るのではないか)とか、もっとたくさんの人(日頃、第一次産業に関わっていない人)が、たとえば世界が閉鎖的になって食材を輸出してくれなくなることを想定してその対策に考えを巡らすいい機会と捉えるのも無駄ではないと思います。
経済活動の停滞への対策は政府に任せるしかありませんが、身近な社会における〝コロナ後〟の世界にも想像力を働かせて、自分には何ができるか、そう考える人が増えることで、今より強くて柔軟性と多様性に富んだ逞しい社会に繋がればいいな、と思っています。

話があっちこっちへ飛ぶ支離滅裂なレビューになってしまいましたが、2020年3月30日の今日、いかに自分が混乱していたか、の証左として見直すことなく、このまま投稿します。

グレシャムの法則
kossyさんのコメント
2020年3月31日

琥珀さん、そうです。たしか樹木希林さんでした。
コロナいじめというのもそのうち考えられるのでしょうけど、子供にはまだそんなに感染してないので大丈夫じゃないかと・・・
それよりも咳しただけで冷たい視線を浴びるというのも・・・まぁ、映画館でも咳エチケットに注意をと書かれてますからねぇ。

kossy