「『同意します』」ゴースト・イン・ザ・シェル いぱねまさんの映画レビュー(感想・評価)
『同意します』
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何故、『攻殻機動隊』でなく、『GHOST IN THE SHELL』なのか。『攻殻』の意はフチコマ、タチコマの事であり、今作品はそれらに該当する兵器は描かれない。それよりも『義体化』された近未来に於いて、果たして自分のアイデンティティを証明する何かは在るのかという疑問を問い詰めるテーマを主眼としているのが今作品である。それは今まで何を成したかの『記憶』ではなく今現在、そして未来に何をすべきかという行為こそ、自分たらしめることであると台詞でも発言されている。
そして今作品の監督のリスペクト振りが過剰な程演出されているという点も忘れてはならない。枚挙に暇がないのだが、たけし扮する荒巻の台詞の『キツネを殺すのにウサギを寄こすんじゃない』も、過去作にありげな雰囲気での台詞回しさえもそのオマージュ振りが半端無く感じ取れる。
それで、勿論このサイバーパンク的世界観が大好物な自分からしても、今ひとつ物足りない所謂『哲学感』の少なさはがっかりだが、それでもハリウッドのそして中華資本のパワーがこうして日本の作品に息吹を与えるという点は寧ろ歓迎ではある。何せ日本は金がないからね。有るところから引っ張ってくるのは邦画界でも積極的に奮起を促したい程。
ニヒルでアイロニカル、皮肉屋な素子とハリウッドナイズされた主人公というのも面白いと思う作品だ。ま、でも一番好きな作品は漫画版の2冊目なんだけどねw
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