「内省的すぎる」ゴースト・イン・ザ・シェル uzi9mmさんの映画レビュー(感想・評価)
内省的すぎる
攻殻機動隊は漫画アニメ一通り見てます。
本作は、少佐が自らのアイデンティティを見つけるという作品になっています。そのため、少佐が弱々しい少女のようなキャラクターに見えてしまいます。従来のメスゴリラと呼ばれるような逞しいキャラとは少し違うような気がします。
「自我と機械」というのは、シリーズ全て通してのテーマですが、内省的に、あるいは思春期的にし過ぎたのではないかと思うのです。
また、アクションが思ったより少なめでした。冒頭のアクションシーンは格好良かったのですが、以降あんまりカッコイイシーンがない。ラストくらいでしょうか。
どうせハリウッド映画化するのなら、従来の攻殻シリーズのようにアクションと事件を存分に描いて欲しかったです。予算が足りなかったのかな。
良かった点は、押井守氏へのリスペクトが随所に表れている点です。桃井かおりが住んでるのが「アヴァロン・アパート」であることとか、バトーがバセットハウンドを餌付けしてるとか。押井氏がアニメで描いたものを改めて実写とCGで観れるという価値はありました。逆に言えばその程度です。
中国的な街並みは、あまり気になりませんでした。むしろ『ブレードランナー』や押井版GISに則っているので、近未来SFの映像化としては定石と言えるでしょう。
たけしだけが日本語を喋っているのは少し違和感がありました。意外に出番があったので。どうせだったらトグサに中国語でも喋らせておけば、違和感を軽減できたのではないかと思います。