「空間を駆け回るミラが象徴するもの」ゴースト・イン・ザ・シェル 琥珀さんの映画レビュー(感想・評価)
空間を駆け回るミラが象徴するもの
SF映画の金字塔と言ったら、『2001年宇宙の旅』か『ブレードランナー』(ここにエイリアンシリーズを入れるかどうか、たぶん死ぬまで悩みます)と思っている私には涙もののオマージュでした。
あれほど文明が進んだ社会が実現していたら、もっと統制されて清潔感溢れる世の中になっていると思うのですが、あのような猥雑でいかがわしい(そして、なぜかジメジメした湿気だらけの)ダウンタウンが残っていて妙に共感というか、安堵を覚えました。きっと自分もいかがわしい人間だからですね。
個人的なストレスだって、たとえ直ぐに解決しなくても、ガス抜きできる環境や友人関係や逃げ場があるかどうかってとても大事なことですよね。
社会とか世の中でもきっとそういう空間が必要なのは一緒なような気がします。
逃げ込めそうな街や場所が残っているのは、弱かったり、だらしのない私のような人間には救いとなりますからね。それを奪われたら、そりゃ頭にきます。ミラの言ってた奪われた《仲間》にはきっと場所とか空間という概念も含まれていたと思います。
それにしても、ジュリエット・ビノシュ、マリオン・コティヤール、メラニー・ロラン、レア・セドゥ…最近のフランス出身女優さんたちの内面から溢れ出るような美しさが際立っているのは果たして偶然なのでしょうか?
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