「オリジナル感」ゴースト・イン・ザ・シェル コウヘイさんの映画レビュー(感想・評価)
オリジナル感
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原作、アニメ全て観て、そして実写、それぞれの世界観を楽しめる非常に稀な作品です。
今回は字幕で鑑賞しましたが、2回目は吹き替えで観ます。
内容自体は地味な印象です。ゴチャゴチャした街並みは、ブレードランナー、ロボコップを思わせ、没個性的なリアリティを感じ、押井版へのオマージュ。
草薙素子とこう繋げるという意外性もありで、事件捜査という総体的に地味なテーマの中なら、際立つのはあくまで人間で、そこはかなり濃い。バトーもトグサ、最後の方のサイトーの一瞬の活躍も嬉しかった。
考えさせられたことは、擬似記憶というものは国籍すら変えてしまう、この先他人事ではないことのような恐ろしさもあること。
スカーレット ヨハンソンは華がある女優と思いますので、そこが押さえられ、常になにかを悩むような陰のある表情を一貫して通した演技が良かったです。光学迷彩の表現の仕方の作り込み、原作、アニメに対する尊敬も感じます。
個人的には基本シリーズ総じて地味な作りと思いますので、ハリウッド的にドッカンドッカンやっていたら低評価でした。
サンダース監督の理解の深さを感じました。
原作のある作品は監督のファンだったり、原作者のファンだったり、それに依った評価になると。人種問題に発展する国に関しては論外。
予想通りとか、あれがないこれがないなどマニアぶった狭い評価も論外、フラットに1つの映像作品として評価するというのが正しい見方でしょう。
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