「こだわりの前日譚。」ウィジャ ビギニング 呪い襲い殺す kossyさんの映画レビュー(感想・評価)
こだわりの前日譚。
死霊館ユニバースへの対抗意識が見え見えのウィジャシリーズ。作り方も前日譚を用いて、1967年に起こったザンダー家の悲劇を描く。日本劇場未公開ながらも製作もブラムハウスだし、製作にはマイケル・ベイの名も確認できる。60年代という古さをアピールするためか、フィルム作品の特徴である黒い点(チェンジマーク、パンチマーク)も使ってる。
母親が霊媒師だったけど自分には才能がないと落胆気味のアリス・ザンダー。娘二人に協力してもらって、言ってみればインチキ降霊術の占いの館(future teller)を営んでいた。夫も亡くなり、経済的に苦しくなったアリスは娘リーナが言っていたウィジャボードを小道具として購入し、新たなインチキを考えていたが、やがて9歳の末娘ドリスに悪霊が憑依してしまうことに・・・
取り憑いているのはポーランド人?姉のリーナが神学校の校長であるトム神父にポーランド語で書かれた日記を見せる。そこには第二次大戦中の捕虜収容所における虐げられた人たちの思いが綴られていたのだ。解放され渡米してからも“悪魔の医師”に人体実験を受け・・・といった驚愕の事実。
トム神父は大司教に連絡し、こりゃエクソシズムを行わなければ!という、エクソシスト展開になるが、厳密に言えば悪魔ではなく、ユダヤ人たちの怨霊だ。ともかく口を封じられていたユダヤ人の受けた仕打ち、口を縫うことが恐怖のメイン。ドリスの顔はムンクの叫び、いや『スクリーム』の面以上の怖さだ。
前作『呪い襲い殺す』へと見事に繋げるストーリー。60年代にザンダー家が住む以前にも惨劇が行われていた事実をプラスして、呪われた家を強調していた。ただし恐怖感は前作を超えないし、こじんまりとした内容。『エクソシスト』も意識したのは欲張り過ぎだと思うし、どうせならユダヤ人への人体実験をいくらか描いた方が怖かったかもしれません。キリスト教とユダヤ教が相容れなかったのも問題か・・・
なるほど…。先に観ておいた方が良かったんですね…。
Netflixも、私が加入した時よりも価格は上がってるので、この先も上がるかもですけど、独自のコンテンツが魅力的なのと、日本のドラマは全く観ないのでHuluよりはマシかなと。