「クマかわいい」パディントン2 kkmxさんの映画レビュー(感想・評価)
クマかわいい
ポップな映画が観たくなり本作を鑑賞。パディントンはフカフカしててかわいくていいですねー。ゆかいな良いクマです。育ての親と思われるルーシーおばさんにプレゼントを買おうとする優しい気持ちになんかグッときました。
内容はファミリー向けの清く正しいもので、アクションもあってなかなかに観応えがありました。
映像も美しくて、エンドロール後の場面やスイーツ刑務所などはウェス・アンダーソンっぽくてワクワクしました。
ヒュー・グラント演じる悪役フェニックス・ブキャナンもいい具合にコクがあって面白かったです。衣装を着せたたくさんのマネキンたち相手に、1人何役もこなしながら1人で話している姿を見ると、マヌケで笑える一方、お前孤独なんだな…とちょっと同情も。
しかし、実は、一番印象に残っているのは自警団のオッサンです。
最近、難民映画ばかり観ていたため、パディントンも難民のメタファーとしても見れるな、と思っておりました。そう考えると、自警団のオッサンはネオナチとかの排外主義者のパロディーとも言えそうです。パディントンなんてあんなにフカフカしてかわいい上に礼儀正しい良いクマなのに、絶対に理解しようとしない。あんなに街の雰囲気もクマのおかげでホットになったのに、街の雰囲気を悪くしたと思い込んでいる。オルタ・ファクトに固執する感じが善良極まりないファンタジーの中で唯一ザラリとしたリアルな手触りがあり、それが本作に厚みを与えているように思いました。
フェニックスは役割上の敵役でしかないですが、自警団のオッサンはパディントンという異邦熊にとって本質的な敵役なので、3があるなら彼を掘り下げて、彼がなぜああなったのか、そしてパディントンはネオナチと解り合えるか、というプロットを期待したいです。そうなるとターゲット層が変わりそうですが、異文化共存についてはアナと雪の女王でもやっているので、子ども向けにも作れそうです。