劇場公開日 2017年3月4日

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「●本作はただの企業告発映画ではない。」汚れたミルク あるセールスマンの告発 うり坊033さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0●本作はただの企業告発映画ではない。

2017年4月30日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

悲しい

知的

かつては欧米列強国が世界を武力で植民地化。今度はグローバル企業が世界を経済力で征服。
もちろん、最先端技術・製品が世界に普及することは悪いことじゃない。企業に倫理観があれば。
知らなかったけど、人工ミルクはWHOコードに指定されていて、規制してる国も数多い。

主人公は大手外資系に転職。営業成績も人間関係も良好。だが、自社商品で赤ん坊が無残に死んでることを知らされる。これに耐えきれず会社を去る。ツライな。天国から地獄。

問題はこっからだ。WHOコードは1980年代に採択(日本は棄権)。
70年代のボイコットの結果だ。しかし本作は90年代のお話。
さらに商業ベースの公開は、2017年の日本が世界初。制作から3年後。
ん?この話の後に、ボイコットが起きて採択されたんじゃないの?

調べてみると、この企業と主人公の主張は食い違うし、なんだか白黒はっきりしない。
それでも本作の公開が日の目を見たのは、関係者の尽力と強い意志があったからだと思う。
推測だが、本件はパキスタンだけの問題ではない。似たような環境の国々は多いだろう。
それに、この企業だけが人工ミルクを売ってるわけではないはずだ。

現在進行形の悲劇がなくなって、ひとりでも多くの赤ん坊が救われる世の中になることを切に願う。

うり坊033