The NET 網に囚われた男のレビュー・感想・評価
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いつもながらの力業
尊厳
猛毒
キム・ギドクの"毒"が足りない
永久保存版🙆♂️
北と南に翻弄される朝鮮人漁師の悲哀
キムギドクの過激描写は封印。
韓国は北朝鮮を“自由のない貧しくて不幸な国”という哀れみの目で見ているがそれが間違っている事に気づかされる。
自由があってもお金が無ければ不幸な韓国は日本をみているかのよう。
主義主張が違う北と南で同じく酷い目に合わされる一介の漁師。
軍隊で鍛えた立派な肉体をもってしても優しく献身的な巨乳の奥さんの慰みにも勃たないほど打ちのめされてしまう。
何一つ悪いことしていないのに不憫すぎる。
キム
どうしたキム・ギドク⁉️分かりやすいぞ❗️ 過去の作品をを知る者と...
不信感という網に絡まる恐怖。
かなり前に観ました。
『The NET 網に囚われた男(2016)』
原題 The Net
(あらすじ)
北朝鮮で奥さんと娘と3人で仲むつまじく暮らしていた漁師のナム・チョル(リュ・スンボム)は、 漁の最中に網にかかり南、つまり韓国へ流されてしまう。韓国警察に身柄を拘束され、スパイ容疑と、韓国への亡命を強くすすめられる。しかし愛妻家のナムは、必死で厳しい尋問に耐え、やっとの思いで北に戻るも……。
忌野清志郎さんの"あこがれの北朝鮮"いう曲をご存知でしょうか?
"北朝鮮であそぼ
楽しい北朝鮮
北朝鮮はいい国
みんなの北朝鮮"
この曲は一般的には、「皮肉」と解釈されています。
私も本作を観るまで、そう思っていました。
独裁者による洗脳で、貧しい生活を強いられている北朝鮮の方達。っていう。
しかし、彼等は北だけしか知らないので、それが「普通」なんですよね。
なので南で身柄を拘束されたナム・チョルは、自分達がどれだけ穏やかに幸せに暮らしているか訴えます。
北に帰りたいと。自分はスパイじゃない!と。
けれど、南は南の価値観で、「独裁者からナム・チョルを救え!南に投降させろ」となります。北に帰らせるなんてとんでもない!独裁者の国だぞ!可哀想!救わなきゃ! つって。
ここ、はっとさせられました。
先進国、発展途上国って、何を基準にして先で、何を基準にして途中なんでしょうかね。
経済的に豊かな国が、そうではない国に行ってダムとかビルとか建て、先進国の価値観で、先に、先に、向かわせるのって、どうなのかなって。
彼等は彼等の価値観で、十分に幸せなのかもしれない。
そう、幸せって自由じゃないと得られないものなのかな?
独裁者の下でも、幸せってあるよな?とか、考えました。
でも、自由じゃなくても幸せはあるけど、自由で豊かだと幸せの選択肢が増えて、寧ろ幸せだって感覚が薄れるかも。
貧しい国では、家族みんなが一日しっかり御飯が食べられれば幸せ。
幸せは一個だもん。
でも、それが「普通」だったナム・チョルですが、南の"経済的"な豊かさにも、ちょっと影響される訳です。
そして北に帰ってからは、南に寝返ったんじゃないか?って疑われる。
また身柄を拘束され、尋問開始です。
信じる物を失って行き場をなくす、心。
心が、不信感という網に絡まる恐怖。
キム・ギドク監督作品にしては、バイオレンス少なめ。
ストーリーも分かりやすい。俳優さん達者です。
けれど、ちょっと刺さったトゲが、あとから化膿してくる感じ。
今そこが、熱を持ってます。
甘い採点です!
封切りから2カ月たつというのに、新宿では結構な客入りではあった。オイラは単身赴任先のグンマ(高崎)で見ようと思っていたが、レイトショー1本だけでしかも10日で終わってしまうため、行く機会がなくなると思って久々に新宿で鑑賞。
映画自体は悪くないし、なかなか半島の南北問題に迫るいい内容だと思う。ソウルであれ、ピョンヤンであれ、体制というものが個人を何とも思っていない残虐性がよく描かれていると思う。
しかし、あのキム・ギドクの作品としては物足りなさを感じる。
本当なら★4つはつけすぎ。
韓国や半島に関心のない人には、見なくてもいいような映画である。
スリリングな娯楽作を望んでいるのではない、やはり人間の中にあるヒリヒリとした痛みというものの描き方が、過去の作品ほどうまくできていないのだ。その点が大いに不満。
韓国でのキム監督の評価、立ち位置がどういうものかはまったく知らないが、なんか、小さな地味な存在になっちゃった…という印象。
日本で「韓国の北野武」などと言われたのはずいぶん昔のことなんだよね。
それでも、今後の活躍に期待して、甘い採点にしておく。
政治の狭間に生きる家族への思い
凄い映画を観た。
鬼才キムキドク監督『網に囚われた男』
北朝鮮と韓国の軍事境界線近辺の寒村に住む川漁師の平凡な男は、妻と幼い愛娘と共に貧しくも平穏な日々を送っていた。ある朝、男はいつものように小さなボートで漁に出かけるのだが、魚網がエンジンに絡まりボートが故障してしまう。川に流され自らの意思に反して韓国領に流された男は、韓国の警察に拘束され北朝鮮を憎悪する取調官に狂気のごとき尋問を受ける。かたや男の潔白を信じ、彼の身を案じる警護官の心の葛藤を見事に対比させている。物語はここからはじまる。
韓国と北朝鮮との政治の狭間で苦悩する今の朝鮮半島の状況を、そして一人の人間として家族を思う人間らしい感性を、この男を通じて見事に表現してる。社会ドラマであり人間ドラマだ。
在日コリアン3世の私自身、ピョンヤンへもソウルにも数え切れないほど行ってるし、北朝鮮にはかつての祖国帰還事業で渡った親族(現在行方不明)もいる。韓国は、朝鮮戦争で一家離散した私の本籍地があり、そこは祖父や祖母が育った小さな村がひっそりある。どちらも私のかけがえのない故郷だ。
この男の苦悩は私の心情のどこにぶつけたらいいのだろう。
川を自由に泳ぐ魚にはなれない
北の漁師が事故で南に行き帰ってくる話
北朝鮮と韓国の歪な関係を鋭く描いた作品だと思った。
テンポも良くタイトルが出る前に事故で国境を超えてしまう。
取り調べの嫌な感じと、一向に帰れないもどかしさ、単純に解決できない
もどかしさなど、全体的に心にズシンと来る。
主人公は後ろめたさなく、純粋に帰ることだけを望む。しかし両国間の摩擦によって
翻弄され絶望する。
単純な話であったがそれ故に奥の深いテーマで軍事境界線のもどかしさが伝わって来た。
独裁国家だとしても生まれ育った場所ならばそこにはそこの幸せがある。
韓国側がいかに自由で素晴らしく思えたとしても、故郷に家族が居るならば、
帰る場所は一つだ。
TVなどでいかに北朝鮮は危険であるかを切々と語られているが、内面までは深く語られない。
国民の生活や意識はどうなのか興味が湧いた。
実際、ロケットや核ミサイルの脅威は有るが、そこまで自分勝手な国だろうか。
アメリカや中国、ロシアだって同じ実験はしているし武力でわがままを押し通しているように思える。
国家の問題は色々あるし完璧な国なんて有りはしないのだから、互いの良い所、悪い所をしっかり理解して
いきたいと思う。
脱北した人の何割が帰りたくとも帰れず、無理やり韓国国民になっているのか。
この映画を見るまで、脱北者は北朝鮮が嫌で命からがら国境越えして来たものと思っていたが
そうとも言い切れないのだなと思った。
最後の展開は悲劇としか言いようがないのだが、国境とは国家とは何なのかを考えらせられた。
素晴らしい作品だった。
劇中セリフより
「自由が幸せとはかぎりません」
今が幸せなのは自由だからなのか?
自由のために戦う意味があるのか、幸せのために戦うのか。
不幸を生む争いだけは避けなければならないと思った。
分かりやすいキム・ギドク作品
キム・ギドク作品って正直、抽象的だったりよく分からなかったりするのがある。これは分かりやすい。
北朝鮮の漁師、漁師といっても小さな船で魚を網で捕まる漁。それで妻と7歳になる娘を養っている。
いつものように漁に出るんだけど不幸なことに網がエンジンと絡まり船が故障。流されて南(韓国)に…韓国にとっては不法入国。脱北?スパイ?となる訳で…
主に取り調べのシーンがメインになるわけですが、なかなか見応えありです。
韓国側からすれば、この男はあの独裁国家で洗脳されてる可哀想な人民。でも男はそんな事一切思ってないし、ただ愛する家族の元に帰りたいだけ。
韓国側、北朝鮮側といった国家の体裁もあったり言葉では同士と言っていても南北の戦争からのわだかまりがあったりと真の意味での南北統一とは…と真摯に訴えてる作品かと思います。
捕まえられた魚はもう駄目なんだ…彼が選んだ選択と幼い子の笑顔が心に突き刺さる。
切ない。。。
水曜日、サービスDAYに鑑賞。お昼の回に見ようと30分前に到着したもののすでに満席。なので夕方からの回を予約。
感想はただただ、切ない。。それぞれの人がそれぞれの立場で国をそして人を想っているのにそれは押し付けにしかならない。あんな独裁国家にいたら幸せになんかなれないという南側の人間。でも主人公のおとこにしてみれば国ではなく家族がいる場所が一番幸せになれる場所。。。
捕らえられてもなお自分の信念が捨てきれない男は、網に捕まえらた魚と同じくもがきながら弱っていく。ラストシーン。何回も繕い直してボロボロになったぬいぐるみしか知らず、それでもそれを愛おしくおもう娘をかわいそうに思い、南から唯一持ち帰った電池で喋る最新式のクマのぬいぐるみをプレゼントする男。でも娘が一番好きで抱きしめるものは、ボロボロになったぬいぐるみ。側から見ればゴミのようなものでもその当人にとって見ればそれは似て非なるものなり。
半島分断って若い人はピンとこないと言うけれど。
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