「国家…」The NET 網に囚われた男 KEIさんの映画レビュー(感想・評価)
国家…
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脱北の意図なく韓国に来てしまった北朝鮮人側の視点で描かれている点は珍しいと感じた。当然スパイの疑いもあるが無理やり転向させようとしたり、それを独裁国家から救おうとしている、韓国は自由の国なのだから幸せで当然とばかりに迫る韓国側の傲慢な思い違いにハッとさせられる。夜の女性との会話のシーンに象徴される、自由の国でも幸せではない人はいる、物が豊かであっても、感謝を忘れている描き方や、しつこく繰り返される拷問シーン、全体通しての間がギドクらしい。国家を裏切らず、北朝鮮に戻っても疑われ、何も罪のない妻への暴行を知ったことで絶望し、更には仕事も奪われたことで、自殺行為に走るラストシーンは切ない。ただ単に家族の元に帰りたかっただけなのに北と南の国家に翻弄され、人生を狂わされてしまった男、悲しい。韓国土産の音が出るぬいぐるみより、よく破れるが慣れ親しんだぬいぐるみを好む娘は上記の韓国側の思い違いを揶揄していると感じる。
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