「胸がいっぱいになる」わたしたち Rubysparksさんの映画レビュー(感想・評価)
胸がいっぱいになる
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文句なしの星5つ。若き女性監督ユンガウン氏のほとばしる才能を見出し導いたイチャンドン監督の功績は大きい。友情、裏切り、嫉妬といった複雑な感情に戸惑い葛藤する子どもたちの姿をリアルに描く、一方で、友とじゃれ合ったりパタパタと走ったりする姿などまだ子どもらしさの残る屈託のない表情や仕草も余すことなく捉えていて、10歳という年齢特有のはち切れんばかりの生命力と不安定さの同居した様子を見せつけられ、胸がいっぱいになる。4歳の弟の欲求や感情のシンプルさと対比してお姉ちゃんの苦しみや葛藤がますます際立つ。4歳児は荒くれ者だが天使でもある。群れの中における人間の残酷さにさらされながらも、貧しくとも愛情深い家族の大きな何かに包まれて育っている主人公が静かに見せる芯の強さや正義感や誠実さに、人間のレジリエンス、生命力を感じる。10歳の少女をとおした人間讃歌。本当に子どもたちが可愛くて、パンフレットを買って何度も眺めては切なくも幸せな気持ちになっている。
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