「予想以上にリアルボクシング映画」オリ・マキの人生で最も幸せな日 SHさんの映画レビュー(感想・評価)
予想以上にリアルボクシング映画
時代の雰囲気を漂わせつつ、ボクサー人生のある一部分をリアルに描いた、紛れもないボクシング映画。
実話をもとにしているとはいえ、どこかで見聞きしたようなストーリー。あしたのジョーとかロッキーなんかを参考にしたのか、あるいはそれら名作がいかにボクシングというものをリアルに描いていたのかということを証明しているのか─、正直どちらなのかわからないし、どちらでもいい、そう思わせてくれるぐらいに引き込まれた作品だった。なじみある展開というところが大きいんだけど─。
試合自体の凄みなどはそれほど無かったような気がしたけど、そこに至るまでの描写が丁寧で且つ明確で、編集や音で絶妙な雰囲気を作り出していて、心にもかなり響いてきた。
決して美男美女の華麗な物語ではなかったけれど、その物語は限りなく美しく、映像も相当良かったように思う。モノクロの強みや意味を存分に活用していたその映像は、実に巧みだった。どことなくヌーベルバーグ的雰囲気なども感じて、それも60年代というものを意識したものだということが伝わってきた。
結構見応えのあるザ・ボクシングムービーといったところでしょうか。
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