「とてもよかった」武曲 MUKOKU 古泉智浩さんの映画レビュー(感想・評価)
とてもよかった
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高校の時に剣道部で2段を持っている。試合では勝ったことがないくらいの低レベルであったのだが、剣道にはあまりいい印象がない。今でも柔道をやっていればよかったと思っている。「当てっこ剣道」という言葉があるように、現代のスポーツ化した剣道には本来の「斬る」要素がないと言われており、オレもそう思っている。後に抜刀術を習って真剣で巻藁を斬ってみて、これだと思った。剣道では、勝っても負けてもどうでもいいというような気持ちにしかならなかった。自分より圧倒的に強い人と当たっても、「剣道が上手だな」としか思わなかった。自分の視野が狭いだけかもしれない。しかし、後に空手を習って強い人と向き合った時は「殺される」と思った。このように剣道に対して冷ややかな気持ちを抱いているオレが剣道をテーマにした映画を見てどう感じるのかに興味があった。
大会で何度も優勝するようなハイレベルな世界が描かれていた。そんなハイレベルな選手が、アル中になって高校生の剣道部で無双で狼藉を働くところがとても面白く、ワクワクした。素人を高校生の剣道部の強い人がいたぶるのも面白かった。リアルに描かれていてとてもよかった。
ただ、お父さんが自分が命をかけるのはいいのだが、トラウマを息子に残すのは親としてどうかと思う。アル中から抜けるお寺の場面は『フレンチコネクション2』のヘロインを抜く場面みたいだった。
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