劇場公開日 1983年

「人生賛歌と共にウーマン・リブ運動の多面性が…」ガープの世界 KENZO一級建築士事務所さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0人生賛歌と共にウーマン・リブ運動の多面性が…

2021年10月4日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

冒頭の浮遊する赤ちゃんの豊かな表情の
タイトルバックには驚かされる。
鑑賞後に振り返ると
主人公の豊かで波瀾万丈の人生を
彷彿させていたかのようにも思えた。

そして極端に早い話の進捗を上手く処理した
ジョージ・ロイ・ヒル監督の
手腕により、全く飽きずに鑑賞が進んだ。

初劇場公開時の記憶では、
家庭や性的好奇心を通しての人生賛歌の
イメージだったが、
再鑑賞では、
ウーマン・リブ運動への攻撃は元より、
被害者に倣った自傷行為や、
活動の原因となった被害者本人からの
運動への拒絶、
また自傷行為から救いたいとの思いの
主人公への運動員からの攻撃等の
驚きの連続で、
女性に対する暴力撤廃運動等に関して、
複雑に入り組んだ多面的で難しい要素のある
ことが伝わってきた。

しかし、私にとっての最大の収穫は、
今年、ウディ・アレンの「インテリア」で
再び出逢えた私のスクリーンの恋人の一人、
メアリー・ベス・ハートとの
改めての再逢だったかも知れない。
「インテリア」での彼女よりも
更に素敵だった。

KENZO一級建築士事務所