ヨーヨー・マと旅するシルクロードのレビュー・感想・評価
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絶滅危惧種の伝統楽器演奏家
ヨーヨー・マよりもワークショップに参加したメンバーの抱える事情、苦悩にスポットを当てている。音楽や映像よりもインタビュー編集による肉声のメッセージ集と言った印象である。単調さを避けるためなのだろうが編集で話を分散させるので少し混乱した。音楽の役割、国々の内情、政治の混乱・悲劇など伝えるべきことの重要性は理解できるが、もっとじっくり彼らの演奏を聞かせて欲しかった。
豊か
様々な民族がいて、様々な文化があり、様々な音楽がある。多種多様って本当に豊かだなあと思いました。劇中に出てきたナミビアでの体験を私もケニアで体験しているので、ヨーヨー・マーが言っている事が良く分かります。作品を鑑賞していたら、旅に出た時の土地の匂いと音と人を思い出してしまい、また旅に出たくなってしまいました。
なぜ音楽を求めるのか…の原点に立ち返らせてくれる映画
若くして頂点に上り詰めたチェリストのヨーヨー・マ。
目的、目標を見失って模索をしはじめた彼を追ったドキュメンタリー。
彼、ナミビアの原住民の儀式で音楽の生まれ出づる場所を目の当たりにしてブレイクスルーが起こったという。
そういう強度のある体験をしていない我々も、映画を観ていくことで、彼や他メンバーのブレイクスルーを追体験できるようになっている。
この映画を観て、表現の世界というのはもっと自由なはずだという気持ちにさせられた。
音楽が好き、特に自分のしている活動に違和感を感じたことがある人には強く心に響いてくる映画だ。
私は誰?
人は探求をやめない。そして、探求の果てに、元の場所に戻り、初めてその地を理解する。(T・S・エリオット)
自分は音楽家になろうとは思わなかった、なりゆきでなっただけ。その過程の中で選択することを捨ててきた。自分は誰で?自分の役割とはな何か?
ちょうど留学しようと考えている自分にピッタリくる作品だった。
音楽を奏で自己を深めていく
色々考えてしまった作品。民族楽器を奏でる者は、伝統と革新で苦闘したり、政治的苦難で墓国を離れ国外での活動を余儀なくされたり、自らの拠り所に苦しむ様子が印象に残った。だが、自らの拠り所やアイデンティティーというものは、他者との交流の中で深まっていくもの。失敗や批判を恐れず、ヨーヨー・マを核としてひとつの音楽を紡ぎ出す姿勢は、アンサンブルに参加するメンバーをさらなる進化へ導いていくだろう。演奏シーンも多く、プロフェッショナルの動きに見とれてしまう。
期待以上で大満足。
ヨーヨー・マさんの知識ゼロ。
アメリカ人だったんですね。
音楽もど素人。
それでも最後までたっぷり楽しめました。
何故なんでしょうね、最後まで涙がこぼれそうな映画だったんですよ。
不思議&素敵な映画でした。
台詞ではなく、自らの本心の言葉だったからか、幾つもの拾いたくなる言葉に出会えました。
音楽でお腹を満たすことはできないけれども、それでも彼らが本気で何かに向けて行動しようとしていることが伝わりました。
しかもそれが悲壮感漂う形ではなく、自然な形で生み出したものだったからよかった。
エネルギーたっぷりでしたよ。
アイデンティティについて、終始考えさせられました。
それについて執着しているのに、開放している彼らの考え方に、新しい学びを得ました。
軽く観に入ったのに、こんなにパンパンになって帰ることができるなんて。
少しでも気になった方には、お勧めしたい映画です。
神童の先に
ヨーヨー・マについては有名なチェリストという以外は、ほぼ何も知らずに見に行きました。世界の戦争状況とその中で生きる音楽家について扱っている映画で、そのテーマから見れば深い内容で、いろいろ考えさせられました。現代のクラシック音楽とはこれからどういう風に展開していくのかとか、音楽は聞くものではなくて、やるものなのではないかとか… ヨーヨー・マが演奏家としてこんな風に苦しんでいたというのには驚きました。
ドキュメンタリー映画の作り方としては、乗れなかった。シーンの切り替えが細かすぎて、気になりました。
それにしても突出した才能というのは、どんな風にしてもきっと抑えることはできず、この世の中に飛び出てくるものなのなんですね。取り上げられている音楽家がみんな素敵なんですね。特にケイハンと、ウー・マンは私の好みかも。クラリネットの音色が、特筆すべき美しくさです。けれどその他の民族楽器もみんな素晴らしい。パンフレットにはないけれど、歌手の女性がこれまたすごい。シリア情勢とそれに巻き込まれているケイハンの未来が明るいものになってほしいと願わないわけにはいかないです。
音楽は戦争を止めることはできない。けれど、音楽があるから絶望せずに人間を信じられるのではないでしょうか。
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