「今更ながら、下書きに残っていたので投稿します。 ◎高校時代のキャス...」君の膵臓をたべたい(2017) sさんの映画レビュー(感想・評価)
今更ながら、下書きに残っていたので投稿します。 ◎高校時代のキャス...
今更ながら、下書きに残っていたので投稿します。
◎高校時代のキャストと大人時代のキャストの似た雰囲気がとてもよく出ていた。恭子と、ガムをくれる男の子は特に同一人物なんじゃないかというレベル。
北村匠海くんと小栗旬さんは、個別のお芝居は本当に素晴らしいが、ビジュアルはさほど似ていない気がする。彫りの深さとか目元の濃さとか、結構かけ離れている。でも声質や話し方、佇まいはそっくりだと思った。すごい。
◎原作の小説を読んで「涙は出たけどそこそこありふれたストーリーだし新鮮さは感じない」と思った。
映画でもそれは変わらなかった。
だが原作と異なるいくつかの点
・大人になった登場人物たちと高校時代を対比して描いている
・桜良が春樹の気を引こうと蔵書の分類番号をめちゃくちゃにして「その方が宝探しみたいで良いでしょ」
・桜良の遺書が共病文庫の最後に付け加えられる形ではなく、手紙になっている
・桜良が特別な日につけていた「桜の形のイヤリング」の存在
これらは良い役割を果たしていたと思う。
◎劇伴音楽の美しさと光を多く取り入れた淡い色味の映像は、原作の儚く美しい雰囲気がよく出ていたと思う。
◎ミスチルの主題歌「himawari」
楽曲自体は大変素晴らしいが映画の世界観に合っているかというと微妙なところ。サビの「暗がりで咲いてるひまわり 嵐が去った後のひだまり そんな君に僕は恋してた」という歌詞も、まぁわからなくはない。桜良はひまわりみたいな笑顔だったし、まっすぐ力強く生きようとしていた様子はたしかにひまわりの花を連想させる。だが、ポスターやメインビジュアルも桜の花、劇中で重要な役割を果たすイヤリングも桜の花、そしてヒロインの名前は「桜良」
…そこはひまわりじゃなくて桜でしょ!と思った。
◎まとめ
原作を読んだとき「うーん、まぁ良かったけどね」と思いました。映画も「うーん、まぁ良かったけどね」という感じ。まぁどちらも泣きましたよ。とくに映画はメイクが崩れるくらいには泣きました。でも「泣いた=いい映画」だとは思っていないので、手放しに「泣けた〜良かった😭💕」とSNSに投稿することはできない感じです。
個人的には、恋人と観てしっとりと良い感じの雰囲気になるか、1人で観て余韻に浸るか、どちらかがいいな(今回は1人で観ました)。同性の友達グループで観たい映画ではないかなと思いました。中高大学生のデートにはこういう作品がおすすめなのかなと思います。ただ、アイメイクは控えめにして行きましょう ( 笑 )
良いことも悪いことも書きましたが、この映画「好きか嫌いか?」と聞かれたら「好き」と答えると思います。
ぴろっち様
返信ありがとうございます。
あれからなぜか無性に気になって調べまくったのですが、「himawari」はミスチルの桜井さんが原作を読んだ上で書き下ろした曲で、「さくら(桜良)の先にあるものに主人公が踏み出していかなければならない話」だから夏の花である「ひまわり」が題材なのだそうです。
と原作の住野よる先生がTwitterで言っていて、少し納得できました。笑
不可解な部分が多いからこそ、いろいろな考察ができておもしろいですね(^^)
s様
ご丁寧な返信コメントありがとうございます。
私の勝手な想像なのですが、このミスチルの主題歌は、この映画のために作られた曲ではないと考えます。「キミスイ」以前に、泣ける恋愛映画の企画が進行していて、その映画では「ひまわり」が、重要なシンボルだったのですが、なんらかの理由で突然ボツになり、「キミスイ」に企画変更されたのです。しかし、ほぼ完成していたミスチルの主題歌はもはや変更することはできなかった。と、考えるとスッキリしませんか(笑)
ぴろっち様
コメントありがとうございます。
わたしは「映画本編で多少あれ?と思うところがあってもエンドロールでミスチルが流れるとすべて帳消しになりとても感動したような気になる」という現象が邦画で度々見られると思っているのですが(細田守監督の バケモノの子、三木孝浩監督の僕等がいた など)、今回は完全に逆のパターンでした。
途中までは「やっぱりミスチル泣かせるな…すごいな…」とか思っていたのですがひまわりという単語が出てきた瞬間に涙が引っ込みましたから ( 笑 )
たしかに劇伴音楽は素晴らしかったので、詞だけもう少しどうにかして欲しかったですね…。
主題歌については私も同感です。
映画内で流れている音楽が素晴らしいと思っているので、エンドロールには残念に思っています。
ヒロインは「桜良」で、その相手は「春」の「樹」、なのですから、ベタなほどの桜づくしなのです。「桜は散ったように見えても春樹の中でずっと咲いているからね」という健気なメッセージなのです。