オン・ザ・ミルキー・ロードのレビュー・感想・評価
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オン・ザ・ミルキー・ロード
2017年88本目の劇場鑑賞。
エミール・クストリッツァ監督が自ら主演し、
ヒロインにモニカ・ベルッチを迎えて贈るコメディ・ドラマ。
戦争が終わることなく続く国を舞台に、
前線にミルクを届ける配達人の男と村にやってきた美しい花嫁が繰り広げる愛の逃避行を、
エネルギッシュかつファンタジックに描き出す。
エミール・クストリッツァ監督9年ぶりの最新作。
描かれているのは、
王道とも言っていいメロドラマで戦火の中の恋である。
過去の作品でもおなじみでもある動物たちが、
本作でもたくさん出てきます。
特にハヤブサは奇跡のような“演技”を披露してくれます。
コスタが演奏するツィンバロムのリズムに合わせてひょこひょこ動く姿がめっちゃ可愛いかった。
あるシーンのCGが露骨だったのは笑えます。
ヒロインのモニカ・ベルッチはイタリアの宝石と称されただけあって52歳になってもまだ奇麗。
クストリッツァ監督のエネルギッシュな演出は健在でした。
ハヤブサ
戦時中ミルク運びを生業にしている音楽家の色恋の話。
歌と動物とコミカルでブラックな要素をふんだんに織り込んだドタバタ劇で前半はなかなか楽しかったけれど、後半村を出てからテンポががた落ちだし同じ様なシーンの繰り返しで羊までの間がとにかく長くて冗長。
しかもここはもう戦争と関係ないし。
もう30分ぐらい短くしてくれたら良かったのにという感じかな。
【溢れる生命力 バルカンミュージックの強烈なインパクトに引き込まれた作品。】
ー 恥ずかしながら、エミール・クストリッツァ監督の作品を観たことが無かったのですが、映画冒頭から圧倒されました。ー
◆感想
・人・動物達の生命力・愚かな戦争・豊かな自然が、大画面で炸裂する。
・そして絶世の美女の花嫁(モニカ・ベルッチ!)の愚かしき英国将校からの逃避行の面白さ。
・エミール・クストリッツァ監督自身も、毎日傘!で、銃弾をかわしながら、前線で兵士たちにミリクを届けているコスタを演じているし・・。
時には、村の宴で楽しそうに楽器を鳴らす。
・村の英雄ジャガ(ブレドラグ・”ミキ”・マノイロヴィッチ:常連です・・。)と美しきミレナ(スロボダ・ミチャロヴィッチ)の兄妹と、村人たちの関係性。
ー ミレナはコスタが好きなのに・・。ー
<天上天下唯我独尊エミール・クストリッツァワールド全開の、オカシナラヴストーリー。
一気に引き込まれる、ジェットコースタームービーでもあります。
上映館は少ないですが、足を運んで観る価値はある(在り過ぎる)映画だと思います。>
<2017年9月16日 ユナイテッドシネマ豊橋18にて鑑賞>
■その後、エミール・クストリッツァ監督の大作「アンダー・グラウンド」やホセ・ムヒカ元ウルグアイ大統領のドキュメンタリー映画を、映画館にて観賞。
でも、未鑑賞作がマダマダあるなあ・・。
羊が一匹...羊が二匹..etc...可哀想
傘をさしロバに乗る姿が「エル・トポ」を想起させ羊が地雷でドッカーンが「キングスマン」の頭ドッカーンを思い出し銃撃シーンは「ハクソー・リッジ」と同等な迫力を感じた。
ダチョウが血で浸かった風呂桶に順番に突っ込み虫を食ってるシーンとか驚きとユーモア溢れる演出に圧倒させられる。
全体的にコミカルな描写があるので悲壮感漂う残酷なシーンも含めて楽しく観れて後半からの逃走劇にハラハラして色々なジャンルが詰め込まれて最後まで飽きずに鑑賞出来る。
色々な背景に意味合いなどがあるのだろうけれど純粋に映画としてエンターテイメント性も抜群で圧巻。
こんなんが観たかったんだヨ!と思わせるコレが映画だヨ!ってな感じに思いっ切り楽しめた!!
内戦の悲惨さとユーモア
内戦の悲惨さをベースに肝心な所でユーモアを放り込んできたり、動物達が生き生きと演技していたり。強烈な皮肉が込められていたりと。鑑賞後は「面白かった!大好き!」とシンプルに感じた。映画com.試写会にて。
言葉に表せない感覚
エミールクストリッツァ監督の舞台挨拶付き試写会にて。
なかなか難解だった。一つ一つのシーンに深い意味があるように感じた。何度も見るたびに解釈が変わる作品である。
監督は舞台挨拶で、「近年は人間は動物が殺されるシーンをみると感傷的になる。」とおっしゃっていたが、つまり動物がここまででてくるのは“人間と同義”という位置づけだから。ニューヨークのような喧騒と、山奥のような自然を見事にミックスしているのだ。
とはいえ、序盤は盛り上がりに欠けてしまうのは事実。とにかく深くのめりこみたい人向けだと思う。戦争という悲惨な状況の中での休戦という対比が上手かったりはするのだが、いまいち盛り上がりに欠ける。
主人公の恋心が見えるシーンは、本当に簡潔かつ分かりやすく。とても見やすかった。
さてさて、これから“愛の逃避行”が始まる。ここはまさに笑いあり、ハラハラあり、興奮あり、涙ありというシーンとなる。ヒロインの女性はある理由で将軍に追われてるわけだが、その追っ手3人組がとにかく笑える。とにかくくだらないし、その演出もうまいので笑いがこぼれてしまう。
もちろんそのように笑えはするのだが、基本はシリアスに作っているため、逃走劇としても楽しめるのだ。
実はエミールクストリッツァ監督作品は本作がはじめてであるので慣れていなかったのはあるが、ラスト10分が難解でかなり苦戦した。
しかし、全体的にポップな雰囲気もあるし、音楽もノリがいいのでそれだけでも十分楽しめる。
クストリッツァ民話
ファーストシーンはハヤブサからの目線で描かれます。
俯瞰で捉えたシーンを見ると、つい映画好きの悪い癖で“神の視点”を意識してしまいますが…。
いやいや、まだそう早まるでない。
クストリッツァ監督ならではの、ほとばしるパッションとユーモア、自由なイマジネーション!
まるで映画の世界に飲み込まれてしまいそうな感覚に身を委ねて観ていると…
やっぱり、どうにも
口承民話で言うところの“恩返し”的な、
旧約聖書で言うところの“奇蹟” 的な展開が多いところが気になりだします。
いつもにも増して突飛で摩訶不思議な印象だし、土着感や残酷さも増量。
命の軽さも含めて、“民話的”と言うよりむしろ“民話”そのものなのでは??
でも、そう思うと全てがスッキリ!
過去に実際にあったであろう出来事をベースに、様々な人のイマジネーションを介して、豊かに語り継がれていったのが“民話”なら、
クストリッツァは、今語り継ぐべき3つの実話を、民話の語り口とイマジネーションを借りて伝えてくれたのか。 そっかぁ(*゚▽゚*) *:.。. .。.:*・゜゚・*
妄想が止まりません。
主人公には兄弟がいるらしいので、そこはぜひ三男坊の末っ子であってほしいところww
でも、そうなってくると、やはり気になるのはハヤブサの視点。
死と隣り合わせの生活のなか、家族の死を「全ては運命」だと受け入れる村人からも、逆に奇蹟によって生き残った者 = 成すべきことの為に“生き残らされた者” と思えてきます。
全ては運命…
だとすると、花嫁との逃避行は、実は追手から逃げていたのではなく、かの地に導かれていたということ?
様々な奇蹟は、かの地であの奇跡を成す為の道案内だったのか。
もし、全てが運命なのだとしたら、実は死と隣り合わせではなように思える私の生活も、小さな見えない奇蹟の繰り返しで、今日を生かされているのかもしれない。
ほんの些細な偶然の積み重ねとか。
もちろん自ら奇跡を起こすような主役ではくモブキャラだけどww
ハヤブサの視点から見たら、私も見えない力が紡ぐ壮大な民話のワンピースを担っていて、運命の尽きる日が来るまでは勝手に欠けてはいけないに違いないと思える。
彼と彼女の奇蹟の道は、いつしか人々にミルキーロードと呼ばれるようになりましたとさ。
つるかめつるかめ
夢から醒めた夢
物語はシンプルです、愛する2人の逃避行を描いた奇想天外な映画。
戦時下の村でミルク運びを行う男性と、花嫁になる予定だった女性(もちろん他の人の)が出逢い恋に落ちる。
しかし女性は訳ありで、多国籍軍の将軍(イギリス軍)に命を狙われ2人は逃げ出す(愛の逃避行)。
逃げても逃げても2人は追われている。
しかし逃げ方がスゴイ、木の上から飛んだり(羽ばたく?)、スカイダイビングのように滝に飛び込んだりと、全く現実離れいている。
子供の時に見た夢『悪夢』のごとくどこまでもどこまでも追われる。
そして夢(悪夢)から醒めたと思ったらまだ夢の中でした。
奇想天外な逃避行が続きます、最後はもう無茶苦茶な映像でした。
また、動物がリアルに演技をしているようで(CGではなく)、どのように演技指導したのか?
とにかくスゴイ映像でした。
最後は少し心を打たれました、そして目が覚めました。
映画com.の試写会にて鑑賞。
生き物好きにはたまらない
いろいろな生き物が登場します。
はやぶさ・鶏・アヒル・ロバ・馬・蛇・羊・猫・犬・熊・野鳥もっと出ていたと思います。
それだけでも堪らないのに主役の女優がイタリアの宝石といわれているモニカ・ベルッチなので仮にものすごくつまらない映画だったとしても目の保養的にはOKでしょう?
もちろんつまらないなんてことはなくて戦争という重い背景でドタバタコメディーのエッセンスを入れながらミルク配達人と美女の逃亡を描いたファンタジー。
エミール・クストリッツァ監督がミルク配達人を演じていて、モニカ・ベルッチと若いもう一人の美女にモテモテなのだけれど、こちら側として異論があったにしても監督自身が作っている映画なのでまぁいいように進めて下さい。
絵がきれいで、音楽がノリよくて、独特のクストリッツァワールドにはまったら何度も見たくなる映画だと思います。
動物を使ってユーモラスに内戦の悲惨さを伝える
内戦中の小さな村で出会った男女の、二人の愛を貫く逃避行を描く
旧ユーゴスラビア出身のクストリッツァ監督から見た、内戦への思いが込められた作品
2つの民族の和平協定を結婚と考えると、幸せになるはずだった結婚を、武力でぶち壊したのは多国籍軍であり
その破壊行為は、村人たちが口もきけなくなり、村が機能しなくなるまで続けられる
監督はその状況を動物などを使ってユーモラスに描いているけど
その真意はとても重く、
いまだに残された人々の悲しみは癒えることがない
これは、実際に東欧の中にいた人よる描写だというところがとても貴重な作品だと思う
西側諸国の「正義」はただの押し付けであり、東欧で実際に救われているはずの人からしたら、「残酷なこと」でしかなかったことに気付かされた作品だった
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