劇場公開日 2017年9月23日

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「【美しき霊媒師姉妹の魅力に取り付かれた映画製作プロデューサーと、彼女達との関係性を1930年代フランスを舞台に描き出す。】」プラネタリウム NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5【美しき霊媒師姉妹の魅力に取り付かれた映画製作プロデューサーと、彼女達との関係性を1930年代フランスを舞台に描き出す。】

2020年6月9日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

悲しい

知的

幸せ

■主要登場人物
 1.ローラ・バーロウ(ナタリー・ポートマン):聡明で野心家
 2.ケイト・バーロウ(リリー=ローズ・デップ):自分の独自の世界を持つ
 -この二人は、降霊術ショーを生業としてアメリカからフランスにやってきた。”中世以降、降霊術はヨーロッパを中心に頻繁に行われていた。-

 3.映画製作プロデューサー兼経営者コルベン
 -彼女たちの降霊術に魅入られた、彼は彼女達と”ある体験をし”、スピリチュアルな世界に徐々に嵌って行く・・。ー

 そして、自らスピリチュアルな映像を使った映画製作に乗り出すが・・。

 劇中劇の挿入の仕方は余り上手くなく、上記3人と関係する人々の関係性、そしてコルベンがポーランド籍である事を暴露され、会社経営人達から、糾弾される場面やその時代背景もきちんと描かれていないので、分かりにくい。

 <だが、今作の魅力は虚業を生業とする、ナタリー・ポートマン、リリー=ローズ・デップが演じる姉妹が纏う儚さや、彼女たちの当時の衣装が醸し出す独特の雰囲気であろう。
 虚業に魅入られたコルベンの姿は哀れではあるが、彼自身が囚われた後もスピリチュアルな経験を信じる姿。一方でローラ・バーロウ(ナタリー・ポートマン)が獄中の彼と対峙するシーンや、自ら役者として新たな道を踏み出す姿が印象的でもある。
 リリー=ローズ・デップは当たり前であるが、6か国語を話すと言われているナタリー・ポートマンのフランス語が久しぶりに聞けた事も少し、嬉しい。
 起承転結がはっきりした映画ではないが、そこはかとない哀愁を漂わせる映画である。>

NOBU