「雨の愛別離苦の泣き顔よ。」マリアンヌ にゃろめさんの映画レビュー(感想・評価)
雨の愛別離苦の泣き顔よ。
大まかに二部構成。
ストーリー的には簡単なおはなし。
それでも飽きずにテンポよくみられるのは、
監督のビジュアルワークと、
主演2人が長編視聴に耐えうる美男美女だから。
象徴的なビジュアルは、オープニングの落下傘や、
砂嵐での愛。そして名作をオマージュした衣装。
でもロバートゼメキスがホントに巧いのは、
小道具や目線の動かし方。
初めて会ったスパイ同士、
100%信用してはいない(?)心の揺れが
鏡越しの後ろ姿に表されている。
そして、この映画のテーマとも言える
象徴的なセリフ
「感情は偽らないの。だからうまくいく」
見事二人でミッションをクリアして、
やっと訪れる安息の暮らし。
Vセクションから声を掛けられるまでは…
覚悟はしていたが、
突然訪れる過酷な現実。
ハ方手を尽くすが、
逃れられない悲劇の現実。
無理を承知の逃避行。
雨の軍飛行場。
自らの手でこの悲劇は終焉を迎える。
泣き崩れるブラッドピット。
愛別離苦の苦悩の表情。
このブラッドピットの表情は
見たことがある。
「セブン」のラストシーンだ。
奇しくも両方雨のシーン。
愛した人との悲しき別れ。
(映画的には)よくある物語を、
ここまで刺激的に、情緒的に、
描き切った名監督名俳優による
良作であった。
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