「マリオン・コティヤール美しすぎ」マリアンヌ kkmxさんの映画レビュー(感想・評価)
マリオン・コティヤール美しすぎ
ポスターに写ったマリオン・コティヤールの美しさに魅かれ、鑑賞。予想どおり、ため息が出るほど美しい!
40年代のエレガントな髪型、肩パットが入ったドレスなど、気品あるマリオン様にはぴったりで、割と美しい背景と相まって、動く写真集といった趣。表情も魅力的でした。
プラピは歳食ってちょっとブルース・デッキンソンに似てきたな、という印象です。
美しい映画なのですが、ストーリーはよく言えば古典的、悪く言えば手垢がついた内容。ストーリーテリングは丁寧で先は読めてもハラハラさせられるところもあります。しかし、雑に思える部分が気になり、正直途中で冷めてしまった。
その理由は、マリアンヌの設定と行動に整合性がないように思えるところ。
フランス人に化けれるほど能力の高いドイツのスパイであるマリアンヌが、ロンドンで子どもを産むのは無謀なのでは?ドイツが黙っているわけないはず。
そこまでしてスパイ行為を行っていたらあのエンディングはないだろうし、本気で愛したが故の行動ならばハナから死を覚悟するレベルなので、子どもを産むなんていう弱点をわざわざ作り出す行為はスパイとして迂闊すぎる。
序盤、マリアンヌの『感情は偽らない』といった台詞が伏線なのかもしれないが、偽らなくてもいいから、スパイならばもう少しリスクヘッジしろよ、と思ってしまう。そんなことしたらドラマじゃなくなるだろうけど、大事なところなので疎かにして欲しくなかった。
プロット上の無理が見えるため、マリアンヌの心理描写には深みが無いように思えた。ラストの哀しさは解るけど、強引に感動させようとしているように感じ、気持ちがやや淡々としてしまった。
悲恋が物語の核なので、マリアンヌの設定に疑問を持ってしまうと乗れなくなりますね。
プロットはイマイチと感じましたが、マリオン・コティヤールが抜群に美しかったので、観た甲斐はあったなぁ、と思える映画でした。