「これが本当の私。」マリアンヌ ハチコさんの映画レビュー(感想・評価)
これが本当の私。
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わ~カサブランカ!な冒頭のシーンで過去の名作が堪能できちゃう
久々の王道ラブミステリー。ブラピの端正な顔立ち再燃という感じ
で彼のイケメン度がまたも懐かしく堪能できるいい作品なんだけど、
主役は何といってもタイトル通り「マリアンヌ」であることを確信。
今作での共演が離婚騒動の発端みたいな言われ方をしていたけれど、
確かに二人の息はピッタリ。妻の二重スパイの疑惑解明に奔走する
後半のブラピには悲壮感が漂い、愛より任務を重んじる苦悩が痛い
ほど伝わってくるが、冒頭の出逢いから結婚生活に至るまでの間で
妻マリアンヌは何度も彼に答えを発信していたように見える。襲撃
の最中もプロポーズの時も出産時も(本当は)という枕詞がつくよう
な彼女の表情が忘れられない。(きっといつか)そうなる日がきても
愛する人のために残る人生を捧げることを厭わなかった彼女の本心。
こういっちゃなんだけど夫マックスはそこまで彼女を注視してない。
腕利きの諜報員ならもっと早く気付いたはずだし彼女を救えたかも
しれないのに…哀れ恋心を抱いた人間は凡人もスパイも変わらない。
本当に王道すぎて変化球も飛んでこない物語だったが、それだけに
二人の表情が切なく際立つ。監督の職人芸も様々な場面でフル展開。
(美しい人はより美しく、そうでない人はそれなりに…ってあったな)
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