「優等生な展開と役者の力が光るオトナな良作。」マリアンヌ せっちゃそさんの映画レビュー(感想・評価)
優等生な展開と役者の力が光るオトナな良作。
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まず、画面上の華やかさに目を奪われました。街やパーティの様子、服装、その一つひとつが洗練された美しさで冒頭から自然と画面に引き込まれます。
内容は起承転結がわかりやすく、いわゆる"優等生"な展開でストーリーが進んでいきます。オーソドックスな展開と言ってしまえばそうなのですが、飽きずに観れるのは先に触れた洗練された"道具"たちと、主演2人の力によるもの。
特に、前半のクールに仕事をこなす凄腕さからの後半は大切な人を守るために鈍臭くひとり奔走する姿の対比はよかったです。
マリアンヌの「感情は偽らない。それがうまくいく秘訣。ヘマをこくのも感情によるもの」ということば。
その感情を偽れなかった結果、その感情で命を落とさざるを得なくなった無情さ、はかなさには心が自然と熱くなりました。
そしてその姿を見つめる雨の中のブラピの表情にも。
マリアンヌの対処についてマックスと衝突を繰り返していた上司が「マックスがマリアンヌを処刑したと伝えろ」と言うひとコマがせめてもの救いだった気がします。
愛の形について考えさせられる、昨今ありそうでなかった静かでオトナな良作でした。
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