「丁寧な作品」マリアンヌ bimyounahitoさんの映画レビュー(感想・評価)
丁寧な作品
この題材でひねったストーリーという感じではないところが逆にすごい。
スパイの話だし、もっと本当と嘘と疑心暗鬼と、そういうのが混ざってくるのかと思っていたけれど、丁寧に書かれたしっかりとした愛の話だった。
恋に落ちるということ、幸せを感じるということ、愛し合っているということ、そういう部分が画面からしっかりと伝わってきて、戦時中のスパイの話なのに、ものすごくしっくりくるのがとてもいい。
それに助産師の女性たちの心強さもそうだし、パーティなどでの社交性もそうだけど、女性が圧倒的に上手い部分ってのがあって、それって素敵なことなんですよ、全然マイナスじゃないの。そういうところがものすごくよかった。
私は女なので、マリアンヌがマックスに惹かれる気持ちもよくわかるし、言ってみたいセリフもいっぱいだった。
スティーブン・ナイトの脚本の女性は私にはいつも魅力的に見える。
それだけに、マックスの妹とその恋人の部分だけはどうも蛇足的に感じられて、正直ちょっと萎えたのだが、これが時代というものかしらねぇ。
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