「起承転結」マリアンヌ たまるるさんの映画レビュー(感想・評価)
起承転結
さすがのゼメキス監督、観客の心は彼の思うがままに操られた。ハラハラしたり疑心暗鬼になったり、絶望したりホロリとさせられたり。
構成や演者の表情もさることながら、僕は情景、特に夜空、モロッコの屋上からの街並みや、ロンドンの爆撃と対空砲火の描写が印象的だった。詳しい事はわからないけれども、何か今までの作品には無かった空気感のようなものを感じた。あとは衣装。勿論俳優の着こなしというかモデルの良し悪しもあるのだろうけれども、素敵だったなぁ。
戦争ものであり、スパイものでもあり、恋愛ものでもある。そこらへんの配合のバランスが適当なので後味が良い。それが上手くいかないとパールハーバーのようになってしまう。ただ、強いて言えば、ストーリーが上手くまとまりすぎていて、つまり推敲に推敲を重ねた文章のようにスッキリし過ぎているような気がするので、もう少し尺を長くして重厚な雰囲気にする事も出来たような気がする。この脚本にはそういった可能性があるように思う。
ところで、エンドロール時の音楽が一部、ジャズのsingsingsingなんだけれど、明らかに物語にそぐわないというか浮いている気がする。勿論何か意味があるのだろうけど何ですかね?
コメントする