「大々的にコピーで詠ってるほど 大した結末ではない」マリアンヌ Cディレクターシネオの最新映画レビューさんの映画レビュー(感想・評価)
大々的にコピーで詠ってるほど 大した結末ではない
第二次世界大戦、戦時下のモロッコで、
イギリスとフランスの、
美男美女スパイのが恋に落ちる。
まるでカサブランカと007を足したような、
美しいお話。
ここ何作かは、
ひげ面な男勝り役で大活躍だったけど、
今作はうって変わってきれいな色気あるブラピ。
「ジョーブラックをよろしく」以来の90年代な彼が帰ってきた。
ブロンドの髪を綺麗に撫で付け、
仕立ての良いサマースーツに身を包むさまは、
男から見てもうっとり。
しかもどんな苦難でも妻を信じようとする、
理想のすぎる男性像!
心象の揺れ動きも見事だった。
これをまっていた女子も多いのでは(笑)
相手役のマリヤンもさすがにアカデミー女優。
自立と不安と幸せを行き来する演技に、
見とれてしまいますね。
けどスパイの銃撃シーンや逃亡シーン、
疑い始めた心情表現など、
ゼメキス監督のスリリングな
エンタメ性がたっぷりと愉しめて、
娯楽作としてもなかなか。
ロケーションが抜群にいい。
40年代の町並みに、砂漠を走る車。
戦時中のヨーロッパは、
ロマンティックなんだなぁと実感。
衣装も素晴らしい。
アカデミーにノミネートされてるみたいだけど、
男も女も心奪われちゃう。
そんな至高のラブストーリーだけど、
予告編で妻が二重スパイだったと、
ストーリーはほぼ語られてるし、
「全てが明かされた先にある涙の物語」
と大々的にコピーで詠ってるほど
大した結末ではないです。
多分8割くらいの人が、
「きっとこうだろうなぁ」と思ってた通りになる。
そのせいか泣けるワケも無く、やっぱりねという感じ。
オーバーな宣伝のせいで、シラケてしまった。
作品は雰囲気もあってとても素敵なのに、ちょっと残念。
配給会社はもっとデリカシーをもって、
戦略を考えて欲しいなぁと思ったのでした。