「苦しく美しい物語」光をくれた人 キムチさんの映画レビュー(感想・評価)
苦しく美しい物語
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ヤヌス島の美しい情景と、クラシカルで情熱的な音楽に最初から引き込まれました。
物語のあらすじは、、ただただ切ない。でも、納得のいくものでした。
登場人物全員に善良さがあって、ただ、夫婦は妻イザベルの強い愛により「善良」ではない判断をしてしまう。正しくないとは決して言えないけど。
子どもを授かれる人と授かれない人。これは人生の中で最もと言っていいほど高い壁だと思う。きっとイザベルの判断や行動は理解出来ない方も多いのでは。
我が子を宿して失った哀しみって、きっとどうしようもなく母親にしか分かり得ないんですよね。誰も何も言っちゃいけない。
光を失ったら、光を求めるじゃないですか。きっとトムだって、ハナに出会って哀しみを知らなかったらそのまま育てていたんじゃないかなぁ。
ただ、願わくばトムとイザベルに強い絆があってほしいと思っていたので、あの決断があって本当に良かった。
根底に流れている善良さは、ドイツ人の旦那さんの言葉が全てなんじゃないかと思った。赦すこと。手紙を読んだ瞬間、イザベルはその時憎かったトムを赦したんだと思う。
どうしたって苦しい物語ですが、登場人物が美しいなぁと、鑑賞後は暖かい気持ちになれました。
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