MERU メルーのレビュー・感想・評価
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岩壁への超絶アタックに驚愕。登山家の劇的な生きざまに感嘆。
前の冬には「エベレスト 3D」「エヴェレスト 神々の山嶺」という登山をテーマにした劇映画2本が相次ぎ公開されたが、今度はガチのドキュメンタリー。
共同監督のジミー・チンと2人の仲間は、ヒマラヤ山脈メルー中央峰の「シャークスフィン」に挑戦する。海面から突き出た鮫のヒレのごとく、ほぼ垂直にそびえる三角の岩壁を、1週間以上もかけて登るのだ。荷物運びも伴わず、自分の体重と変わらぬ装備一式を背負い、夜は岩肌にぶら下げたテントで休息。予想外の吹雪で足止めされ、日程が倍以上に…。
なぜそこまで過酷な挑戦をするのかと疑問に思わずにいられない。なにか哲学的な、人間存在への問いかけを、体を張って実践しているようにも映る。
見どころは彼らの登山だけではない。3人の人生、生きざまがまた劇的。そんな悲痛な体験をしてまで、なぜ登り続けるのか。登山家にならないと真の理解は不可能だろうが、すごいことだけは伝わる。
理屈ではないですね。
こちらも過去鑑賞。
フリーソロが近くの劇場に来ず、観に行けなかったので代わりに鑑賞しました。
ドキュメンタリーですが、フィクション以上に劇的で編集も上手く、ラストなんて涙無しには観ていられないくらいでしたし、更には雄大な自然と気高く想える山の景観も美しく、本当に素晴らしい作品でした。
自分は高所恐怖症に加え寒いのも苦手ですし、心肺機能も並以下なので、登山には間違い無く向いてない人間ですが、この山に登りたい気持ちだけは分かるような気がします。
命が懸かっているのですが、それ以上に強い想い…理屈ではないのだと思います。
これぞ、パイオニアワークだ。
これぞ、パイオニアワークだ。
カッコ良すぎる。
勿論、それをそう思わない人も沢山いる。彼等はそれでも良いと思っているんじゃないかなぁ。
所詮、自己満足の世界。共感出来る人はそれなりにいる。ほとんど、誰かに迷惑欠けている訳でもないし、最後のリスクは自分の命で賄うのだろうから。僕には出来ないので、カッコ良すぎる。
とにかくもの凄い
もの凄いものを見た、それが何よりの感想です。
登山を舞台とした、正にこれぞドキュメンタリーと言える作品。
そして野暮ったさが無い見事な作りなんです、また音楽も良いんですね。
突出しているのがその映像でしょう、本当に見事です。
自然の切り取り方もだが、それに寄り添うようにクライマーの狂気(あえてこう記します)がそのまま映し出されている。
正直、個人的には山に入る気持ちはわかりません。
もちろん規模にもよるのだけれど、生死が隣り合わせな標高にも及ぶと全く理解できない。
寒いし、辛いし、腹も減るし、指ももげたりする、眠れたもんじゃないだろうし、天候に完全に左右されてしまうのも苦しい。
やはり山は登りたくはないと、改めて思ってしまいました。
ただ少しだけ、「誰にも登れない場所」その一点に吸い寄せられるというのは何となくわかります。
そうした彼らの命をかけた挑戦は、只々目が離せなくなるんですね。
そうして何度も挫折した先に訪れた登頂の瞬間は、本当に息を呑むようでした。
ここまで人の命と自然の尊さを感じる作品も、そう無いだろうと思います。
とにかくもの凄い作品でした。
超人の世界!
YouTubeでポータレッジなる岩壁に吊るクレイジーなテントな存在を知り、
自分には全く理解も実行も出来ないクライミングに世界に興味が湧き、本作を鑑賞。
秀逸なドキュメンタリー映画だと思います。
やっぱりあんな岩壁を登ろうという思考回路は、全く理解出来ない。
でもそんな世界が世の中には存在し、実行している人達は自分から見たら超人だ。
ジミーの撮影の作品なのかな?
ただでさえ極限の過酷な状況で撮影もするって、もう訳がわからん。
レナンの復活劇とか、フィクションの映画だったら完全に嘘くさいけど、信じられないエピソードだけど本当だもんな。
この方々の今後の御無事を祈りつつ、応援させていただきます。
いやめっちゃ良かった。
ツタヤで全然違うDVD探してたらドキュメンタリーコーナーで偶然見つけたMERUのDVD。なんかこれ前Twitterで話題になってたような…と思ってほんとは時をかける少女を観たかったのだが借りてみることにした。
いや正直めっちゃ良かった。コンラッドとジミー、レナン、彼らの登頂にかける思いやメルー挑戦に至るまでのそれぞれのドラマが丁寧に描かれていて、よくぞここまで記録してくれたと思う。記録し作品にしてくれたからこそ、日本の片田舎に住む一般人である自分がこの偉業の成される様を垣間見ることができた。
クライマーたちの生きざま、彼らの信頼関係、ほんとうに観ていて心打たれた。コンラッド、ジミー、レナン。彼達だけじゃないがクライマーたちはかっこいい。心からそう思った。
疑いたくなるほどの劇的さ
登山家であるジミー・チンによる自伝的映画で、まだ誰も登頂したことのない山、メルーへの登頂までの紆余曲折がカメラに収められています。
過酷な登山中の映像も息を飲むものがありますが、それよりも、登山チームであるコンラッド、ジミー、レナンの三人それぞれが持つ葛藤や背景が劇的すぎて、思わず、これは本当に事実なのか? と疑ってしまいたくなるほど出来すぎていました。
誰も登ったことのない山に登る。
登山は、友人に連れられて何度か行っていますが、自分にはそれほどハマるほどの魅力は感じません。が、未踏の地へ行きたい、というその気持ちには、なんとなく共感できる部分もあり、また、彼らの情熱や行動力には、素直に羨ましい気持ちを抱きました。
狂気って何?
築いた地位を自ら手放す時や安定した生活をやめる時に、人は「もったいない」という言葉を使います。不慮の事故で死んでも自死しても「人生もったいない」と故人に対して思います。それは、今作に出てくる登山家が山で死んでも同じです。しかし、今作に出演したコンラッド・アンカー氏は、「山に登らなければ狂ってしまう」と言います。私達は山に登る彼らを狂っていると言います。
私達の生きる社会では、過労死や過労自殺が日常的に起きているのに、自分の意思で登山をして死ぬことは非難されます。コロナウイルスが蔓延する中満員電車に乗って職場に向かうのは常識ですが、雪山登山は非常識です。登山家をクレイジーと言いながら、私達も十分クレイジーなのです。自分達の生きる狭い世界でしか価値観を判断できないのです。
登山家は私達が経験し得ない事を成し遂げ、私達が見たことも見ることもない景色を見ています。いつも死と隣り合わせである彼らの哲学や思想を理解することは難しいとは思いますが、私は彼らの生きる哲学を感じて心が震えました。そして、メルーにアタックしながら撮影した素晴らしいフィルム。こんなドキュメンタリー映画は、そうそう観られるものではありません。
今作を通して私が学んだことは、周りの人がどんなにもったいたいと言おうと、狂っていると言おうと、全く気にしないで、自分に忠実に生きる。ただそれだけです。
ドラマよりもドラマティックなストーリー
このドキュメンタリーはすごい
山の頂きを目指す者たちのドラマよりもドラマティックなストーリー。
次の瞬間に死ぬかもしれない状態が何週間も続いたらどういう精神状態になっていくのか想像もつかない。
そんな極限の世界を様々な犠牲をはたいても求めてしまう人たちとそんな人たちを愛する人たち。
遠い世界の話に見えつつ、現代都市生活の欠損を見つける
まとめ上げた構成力
基本、登山ものは大ハズレしない、と思っている。ただの好みかもしれないが。これも、まあ良い出来。
カメラマン兼登山家によるドキュメンタリーということらしいので、所謂「映画」という見方ではないかもしれない。しかし、ちゃんと作品性がある。それは、長い長い期間をストーリーとしてまとめ上げた構成力があるから。
登頂成功のチャレンジまで、前置きに半分以上の尺を使っている。そこが、すごい。というか、よく撮りためたもんだ、と作品を完成させる情熱というか持久力に感服する。
今のところの登山もの上位ランクですね。それでも「運命を分けたザイル」越えは難しい。あれこそ難攻不落の頂き状態である。インタビューカットの入れ方見ても本作もあれは意識はしたのかな、と。
浪漫の塊
登山ドキュメンタリーというより、ヒューマンドラマ
自分の命だけならまだしも、
奥さんや子どもなど背負っているものがある。
それでも危険な山に登り続ける。
仲間は皆死んでいった。本気で死と隣り合わせの山登り。
何が彼らをそうさせるのか。
これがまた浪漫というか。
ぶっちゃけてしまえばただの岩。
しかもそんなに金も名誉も手に入らない。
しいていうなら、現時点で誰も登ったことがないというだけ。
それに命を懸けて登る。しかもただ登るだけでは足りないらしい。
あえてリスキーな重病人を連れていく。普通じゃない。
だからこそ心に来るものがある。
え?しかも今の奥さんは、死んだ友人の未亡人だったって?
いやはや…超越していて、なんといっていいか。
けど、素敵なものをかんじたことだけは確か。
このくらい色々な価値観があっていい。
登らなければ狂ってしまう
気になるレビューがあったので引用
「狂気のエゴイスト。
「山に何故、登るのか」との問いに「そこに山があるからだ」と答えたのは、ジョージ・マロリーという人らしいのですが、私であれば、例え、そこに山があったとしても、決して危険を冒してまで登山することはないでしょう。山岳遭難のニュースを見るたびに、山に対する恐怖心は昂じてきます。
この映画の監督、ジミー・チンは仲間が滑落し、瀕死の重症を負っても、再度、登山に挑戦させます。映画を観ていて私はこの連中は完全に狂っていると、思いました。自分のまわりの人々をいたずらに悲しませてはいけないのです。自分の命を粗末に扱うような行為を生きがいにしてはいけないのです。何の苦労もしていないかのように、飄々と経験談を語り続けるエゴイスト、ジミー・チンの姿を見ていると怒りがこみ上げてきました。
このレビューは登山という行為を全く理解できない(理解したくもないのです)いち個人が書いた文章です。登山に理解のある人は私の意見と180度違う感想を持つことでしょう。」
このレビューを受けて、確認しておかなければならないことがある。それは、ただ一つ大事な、彼らの人生と山との関係において核心的な事実は、決して彼らは自分の命を粗末に扱っているのではないということである。それは、彼らが山に挑戦し続けないのであれば、その生き方は彼ら自身を悲しませる生き方になることに他ならないからである。
なぜなら、彼らは登らなければ狂ってしまうのだから。
なるほど、その点においては、このレビュアーはこの映画を実によく観ている。
ジミー・チンは自ら命を捨てる狂気である。
一方で、作中に「登山に命の保証はない、登山は正当化できない」という登山家の言葉があった。私はそこに、命をかけている人間にしか出せない、言葉の重たさを感じ取った。家族に悲しみを与える葛藤も描かれていた。
なぜそこまでして登るのか。登らなければ、それがなければ狂ってしまうというほどに、なぜ、何に人は命をかけるのかということを改めて考えた。
この作品を見ながら、ふと落語家の桂枝雀の生き様を思い出した。彼は、笑いに命をかけてその命を失ったが、枝雀とこの映画の3人の精神状態に大きな差異はないのではないか。彼らは、自分の人生のために、命がけでそこに立ち向かう、立ち向かわざるを得ないのである。だからこそ狂気的に映るのであるが、そこに人間としての魅力を見いださざるを得ない自分がいることに目を背けることはできなかった。
未踏峰への挑戦を撮影するという凄さ
前人未到の登頂に、カメラを持って行くということの凄さ。え、これ誰が撮ってるの?って感じですね。登りながらも撮影してるということで、本当にすごいなと。
ドキュメンタリーって知らずに身始めたんだけど、あまりにリアルな登山で、え?ってなった後にドキュメンタリーとしってなお、驚くばかり。
カメラも軽くなってるだろうし、まあ昔よりはマシ何だろうけど、こういうことができる時代。すごい映画が観れるのは幸せだなあ。
肝心の中身は、1回目の失敗とか、その後の事故だったりからの、2回目の方が危うくないか、と思わせてからの登頂なので、本当に映画のような展開。
ドキュメンタリーってのは作為的なものではあるんだけど、それでもかなり面白く見れる作品。
登頂した後に、死んだ師匠の名前を呼んで、ついに登ったぞ、というところは感動するね。
カメラマンは別にいると最初は思ってたけど、これは3人のうちの誰かが持ち回りで撮ってんだ、ってことが最後の方になってようやくわかった。
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