劇場公開日 2016年12月16日

  • 予告編を見る

「日本の失敗<(`^´)>」ドント・ブリーズ 幸ぴこリンさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0日本の失敗<(`^´)>

2016年12月20日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

悲しい

興奮

88分間の作品だけど、継続する緊迫感がエンディングまで途切れず楽しめた。
単なるパニック・ホラー映画の枠に留まらないカメラワーク。
映画の見どころである地下室からの脱出時に真っ暗な中で手探りの攻防が繰り広げられるシーンは、
暗くなった後の瞳孔の変化がしっかりと見られてゾクゾクした。
老人も強盗もしぶとくて、形勢逆転の繰り返しが非常にスリリング。
『息も出来ない』タイトルの通り、叫び声が殆どないホラー映画、というところも凄く凄く印象強かった。

しかし、最終的には日本の配給会社による宣伝がこの映画の見どころを狂わせ、
ツッコミどころをわざと生み出してしまっているとしか言いようがない と感じた。

交通事故で愛娘を失い、多額の示談金を受け取り単身暮らす盲目の退役軍人の家に強盗に入る3人組。
しかし強盗は上手くいかず、脱出も不可の状況に。
そしてたどり着いた地下室で、家主の異常性を目にする事になる。
果たしてこの老人の家から無事に脱出する事は出来るのか--

…というストーリーだが、宣伝では「家主は聴力ぱねぇ。スピードぱねぇ。しかも異常者!」というポイントが強く推されている。
実際に観てみると、ここは非常に大袈裟で、話の筋すら曲げてしまっている。

金を盗もうとし銃を向けた人間を抵抗して殺すのは当然。
金を持ったままの強盗を、家から出すまいとするのも当然。
盲目の人間が耳を頼りに聴力が集中するのも至極普通の事であるが、宣伝程突出した聴力は無いように見える。
聴力を頼りにした行動でもミスを犯すシーンも見られるし、何度か「別に異常レベルじゃなくね?」と疑問を抱かされた。
速度については「超早い!!さすが軍人!!」みたいな場面は無かったし、
どちらかといえば銃を持って押し入った強盗から金を取り返そうとする盲目のマッチョ老人vs浅はかな子供達 という映画。
地下室の異常性については、子を持つ親の気持ちとして一切理解に及ばないとは言い切れないような…。
どちらかと言えば、感情移入は逃げる強盗よりも老人寄りw

日本の宣伝広告を見ず、作品から入った方が恐らく数倍も楽しく観られますよ。

コメントする
幸ぴこ