「ゲイ活動創生期を再現するカルチャームービー。」ストーンウォール MPさんの映画レビュー(感想・評価)
ゲイ活動創生期を再現するカルチャームービー。
セクシュアル・マイノリティ運動の原点と言われる"ストーンウォールの反乱"をクライマックスに設定し、ゲイの青年、ダニーが抑圧から爆発へと向かう革命のカオスに否応なく巻き込まれて行くプロセスを描く映画は、細部に挿入される幾つかの事象から時代の空気を巧みに掬い取る。各地から集まって来た同じ仲間たちがたむろするニューヨーク、クリストファー・ストリートの、どこかオープンでのどかな午後の街角、ジュディ・ガーランドからバーブラ・ストライサイドへとゲイアイコンがシフトする'60年代のカルチャーシーン、美少年が彼らを求める人々に供給されていく秘密のルートetc、ローランド・エメリッヒの演出からは、リアルタイマーならではの(1955年生まれ)目線で時代を再現したいという欲求と、何よりゲイ活動創生期への強い憧れと、純粋なノスタルジーを強く感じ取る。だから本作を、描き尽くされてきた'60sを新たな視点で切り取ったカルチャームービーとして、幅広い層に門戸を開放し、推薦したい。
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